「本心」平野啓一郎 | 読書日記2016.10〜

読書日記2016.10〜

読んだ本の中で良かったものについて、簡単に感想を記録しています。

この本は昨年末頃からAmazon Audibleで聴き始めましたが、他の本を読むため一度中断し、昨日やっと聴き終わりました。

昔はそんな読み方はしなかったんですが、案外平気です。本に付箋貼ったり簡単なメモを取っておいたりするといいみたいです。


近年小説に限らず映像でも、AI、マルチバース、メタバースといった物はなかなか避けられません。実は正直少し苦手ですが、避けられないので避けないことにしました。この小説もそうです。


それともうひとつ安楽死という問題が出てきて、すごく今の時流に対峙していると思いました。


事故死した母のAI作成を依頼する主人公朔也。その母は生前、自由死を希望していた。朔也は母のAIとの対話を通して母の本心を探ろうとする。


人の本心を完全に理解することは出来ないというのが結論なのかなあという感じですが、自由死の是非も、そもそもメタバースという物の位置付けも、簡単に答えが出せないと思いました。


文庫本の帯にQRコードがついており、作者に寄る解説動画を見ることが出来ます。私は読んだ後で見ましたが、先に見てもよかったかもと思いました。