[映画レビュー#29] ハウス・ジャック・ビルト | ニールのシアター

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お越しいただきありがとうございます!鑑賞した映画・特撮・ドラマ・アニメをシェアしたいと思い、始めました!現在、様々な作品を開拓中!(まあ、たまに偏りはありますがw)

注: 2019年3月14日に記事タイトルを変更、日本版予告、その他画像を追加しました。


ひとまずは筆者が勝手に続けていた、

ラース・フォン・トリアー特集

最終回です。

皆さん、シリアルキラーって言葉はいつからあったかご存知ですか?

(Wikipediaによりますと)
「シリアルキラー」という英単語は、元FBI捜査官のロバート・K・レスラーが、テッド・バンディ(Ted Bundy、米国で36人以上の女性を殺害した連続殺人犯、1989年死刑執行)を表すために、1984年9月に提唱したとされているが、同様の意味を持つシリアルマーダラー(serial murderer)、シリアルホミサイド(serial homicide)などは以前から使用されてきた。


だそうです。...知らんかった。

とりあえず今日紹介するのは、日本ではまだ未公開のラース・フォン・トリアー最新作です。



アメリカ、ワシントン州で1970〜80年代に暗躍したシリアルキラーにして芸術家(自称)、ジャックの12年間をプロローグ、5つの殺人の章、エピローグの構成で描く。


原題: The House That Jack Built
R18+
欧州公開: 2018年5月14日(フランス)、11月29日(デンマーク)
全米公開: 2018年11月28日
日本公開: 2019年6月14日
上映時間: 155分
製作国: デンマーク、フランス、ドイツ、スウェーデン

監督・脚本: ラース・フォン・トリアー
原案: Jenle Hallund
製作: ルイーズ・ベスス
製作総指揮: ピヴ・ベルントゥ、トマス・エスキルソン、トーマス・ガメルトフト、ピーター・オールベック・イェンセン、Leonid Ogarev
撮影: マヌエル・アルベルト・クラロ
編集: モリー・マレーネ・ステンズガード
音楽: Víctor Reyes


出演: マット・ディロン、ブルーノ・ガンツ、ユマ・サーマン、シオバン・ファロン、ソフィー・グローベール、ライリー・キーオ、ジェレミー・デイビス、他


はい、この映画を僕が見てから結構時間が経ってました。LAに留学中の現在、現地の映画館でこれを見たときには、あまりトリアー作品を見てない状態で見に行ったんですよ。でもこの作品を見た後に直感で、これはほかの作品も見ないとだな、と思ったとあるシーンがあったわけですよ。なのでこの鑑賞記録を先に書く前に過去作品をおさらいし、その後にもう一度今作を見て、という順序を取ったのです。おさらいがね、こんなにきついとは思わなかったよw




でもお陰で初回よりも少しは理解できたような気がします。気、だけなんでけどね。


過去作は主に、鬱作品のイメージだったトリアー作品。けれど、前作「ニンフォマニアック 」からシニカルな笑い要素も増え、描写が過激とはいえ、内容的には多少ダメージがない程度に(笑)楽しめる作品になっていた。今作もそう。笑えるところもある。過激さも、残っている。まあ、シリアルキラーですからね、殺人描写はかなりエグいですw でもね、なんかな、俺の感覚もね、麻痺してきたよ汗

こんだけぶっ通しで見てるとね、頭おかしくなる。でも今作に引き込まれたからトリアー作品を研究しようと思ったわけで。実質お気に入りになるわけですがw





今作、ホラーというホラーではないんでが、怖いんですよ。何が怖いって、この映画が全編、ジャックとヴァージとの会話、視点で描かれている点です。片方はシリアルキラー、もう片方は天の使い手(人間じゃねぇ!)、視聴者側にまともなやつが付いてくれてないんですよw

でも人間って不思議なもので時間が経つとどんな人でも、「まあ、このキャラだから...」って言ってすんなり飲み込めてしまう。よって被害者たちがバカに思えてくる。んで笑っちゃったときに気づく。

「あ、俺ら笑っちまったよ...」

気がつけば、ジャックと同じ視点に観客も立ってしまっている。この怖さよ。また性格の悪い、ラース・フォン・トリアーの術にはまってしまったw でもそれなりにちゃんとジャックも然るべきところには終着します。ネタバレになるので詳しくは言いませんが。





キャストはいつも通り素晴らしいんだけど、ジャック役のマット・ディロン、よかったっすよ。大きく見せるクレイジーな演技ではなく、多少の落ち着きがあり、歪んでいながらもそれが普通だと思っているからこそ醸し出される穏やかさ、からの異常性、これを絶妙な演技で見せてくれています。共感できるように出来ているのが怖いです。そして彼の被害者となってしまう女性陣も個性がありました。華やかながらも、馬鹿だったなぁ...。ブルーノ・ガンツは今作では非常に重要なキャラなんだけど、面白いのが、映像に登場するのはラストの僅か15分くらいしか出てないんです。ナレーションでジャックと全編で喋ってはいるんだけどね。





撮影は、最近のトリアー作品では常連のマヌエル・アルベルト・クラロ。映像の美しさ(特にエピローグは最高)は健在なんだけど、手持ち感もいくつかのシーンではあったり、過去のトリアー作品の要素も戻ってきているのが良かった。あと、毎作品ごとに思うのがエンドロールの選曲が良いんですよね。今回(Hit The Road Jack)は特にひねりが効いていると感じました。



ラース・フォン・トリアーの可笑しくも狂った映画の旅もここでひとまずは休憩となります。安心感の方が強いが、新作が出るたびに「見なきゃ」と思わせるトリアー作品には愛着を感じます。その中でも、過去作を見てみよう、そう思わせたきっかけである今作がやっぱり個人的には今も監督作の中ではお気に入りです。


最終評価は、93点











今の時点ではまだ日本公開が決まっていません。ぜひ日本でも上映してほしいものです!んで字幕がついたバージョンでまたさらにじっくりこの映画は読み込みたい、そう思います。




最後まで読んでいただきありがとうございます!




次回は、デンゼル・ワシントン主演アクション「イコライザー」をレビュー予定です。