#050 秋の日の怪談 「高架下」 | 后前弐時のブランチ

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少し特異な体験を中心に書いています。
背中がゾクッとするのが苦手な方は片目で
読む様にして下さい(笑)

しばらくぶりです。


今週は多忙を極めてしまい、更新が出来ず申し訳ありません。


たくさんご心配をおかけしたようで、メッセージを頂きありがとうございます。


すっかり秋も深まり、気がつくと11月に。


朝晩寒い日がやってきましたので、みなさんもお体にお気をつけて下さい。



さて、今日のお話も秋と冬の境の時期の話です。


その日も寒く、歩いていて温かいモノが食べたくなる様な日でした。



その日は会社の先輩と一緒に飲みに出たのですが、既に電車も終わり、


先輩たちは更に飲みに行くと言うので、私はその店に残りました。


その当時良く行っていた店で、お店の女の子とも仲良くしていたので、


あまりお酒の飲めない私は、その店で始発を待つつもりでした。



お店が暇で、少し早く締めると言う事になり、その店の女の子数名と一緒に


店を出ました。


あまりに寒く、途中でラーメンを食べようと言う事になったので数名でラーメン


屋へ入りました。



飲んだ後のラーメンはやはり美味しい。


ラーメンを食べた後、一人の女の子を残し、後の数名はタクシーで帰りました。


私は手持ちのお金も乏しかったため、神戸駅辺りまで歩いて始発を待つことに


しました。



「私も神戸駅の近くやから、一緒に歩くよ。ダイエット中やしねー。」


その子はそう言って、私と一緒に歩く事になりました。朝方ラーメン食って、ダイ


エットもないのですが…(笑)



少し歩いていると雨が降り出したので、高架下を歩くことにしました。



神戸の方はご存知だと思いますが、神戸は三宮から神戸まで商店街と高架下


がずっと続きます。ほとんど雨に濡れずに歩く事が出来ます。



朝の4時頃だったと思います。


彼女の家に近いと言う事で高架下を歩くことにしたのです。



三宮から元町まで。比較的若者向けのお店が高架下にならびます。


そして元町駅を挟んで、元町から神戸まで続く高架下は古びた店が並んでます。



私とその子は元町から神戸に続く高架下に入りました。


酔っ払っている二人です。その暗い高架下に大声を響かせて歩いていました。



昼までも真っ暗な高架下。この時期の朝は本当に真っ暗で、たまにある明りを


頼りに歩くしかないのです。



私は喉が渇き、自動販売機で飲み物を買ってました。


その時です。



「え。何・・・。」


その彼女が言います。


「ん・・・。」


彼女は真っ暗な高架下を指さして、


「ほら・・・あれ・・・。」



私は、缶コーヒーを取り出し、立ち上がり彼女の差す方を見ました。



しかしそこには何もないのです。



「何・・・。どうした・・・。」


「変な光が見えた・・・。」


「光・・・。なんやろう・・・。」



彼女の気のせいだろうということになりました。


「どうする。高架下歩くのやめるか・・・。」


「いや・・・気になるやん。行ってみようよ・・・。」


その子はそう言います。



勇気のある子でした。たまに私が話す怪談話も好きで、怖い事が大好きで


その時もそんな好奇心が出たのでしょう。



私と彼女は高架下をゆっくり進んで行きました。


シャッターの閉まった店ばかりが並ぶ夜の高架下。歩いた方はわかると思


いますが、不気味です。


たまにホームレスが寝ていたり、酔っ払いが座り込んでいたりします。


女性が一人で歩くのは少々危険かもしれません。



彼女が光を見た場所・・・。その辺りまで来ました。



「この辺やったと思うけど・・・。」


彼女は私の腕を強くつかみ、周囲を警戒してました。



私も周囲を見回しましたが、何もありません。



「何にもないな。」



その時でした。


少し先に人影が見えました。



「人がいる。」


「え・・・。どこ・・・。」



目の前に人が立っていました。


彼女はその人の方を見ているのですが、気がつきません。



「そこ・・・。」


私はその人影を指さしました。



「もう・・・。やめてよ・・・。」


彼女は私にそう言いました・・・。




そうです。彼女には見えないのです・・・。



私はその人影に近付くのを躊躇したのですが、見えない彼女にはそんな警


戒もなく、私の腕を引っ張り歩き出します。



どんどん近付いていきます。真っ暗な高架下。だんだんその人影が見えて


来ました。





その人影は軍人のようでした・・・。




はっきりは見えないのですが、軍服を着て腰にサーベルを下げているのが


わかりました・・・。



そしてその軍人は明らかに怒っている感じでした・・・。



「急ぐで・・・。」


私は彼女にそう言うと走って、その軍人の横を通り過ぎました。



「何・・・。何なん・・・。」


彼女は訳がわからない様子で、とりあえず一緒に走っていた感じでした。




少し走って、明りのあるところで振り返りました。



その軍人はこっちをじっと見ていました。



「あれ・・・。お前には見えんか・・・。」


「何よ・・・やめてよ・・・。何かおるん。」


急に彼女は怖がり始めました。




やはり、彼女には見えなかったようです・・・。




そのまま早足に高架下を抜けました。




雨が強くなっていました。




その日は彼女には詳しく話をせずに別れました。



私は始発を待ち、帰宅しました。




その日は何も考えずに寝てしまったのですが・・・。







その翌週に不思議な事がありました・・・。




会社へ行き、鞄を開けると、鞄の中に入っている資料が切れているのです。


鋭利なモノで切られた様に・・・。そう、サーベルの様なもので・・・。


鞄は切れていないのですが、斜めに疵の様なものがついてました・・・。




数日後、その彼女の店に行き、あの日の話をしました・・・。


軍人が立っていた事、鞄の中身が切れていた事、睨まれていた事。



「もう一生高架下には行かへん。」


なんて言ってました(笑)






その後、その彼女が他のお客さんに色々とリサーチしてくれてたようです。




「高架下って戦争の後、軍人が寝泊まりしてたところもあるって。アメリカの


兵隊に逆らって殺された人とかもおったらしいから、その軍人の幽霊ちゃう


かって・・・。」


彼女はそう言ってた。



その話が事実かどうかは定かではないのだが・・・。




しかし私を睨む軍人・・・。何を言いたかったのだろうか・・・。







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