5次元でのマネジメントとは? | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先に、次元の捉え方について記載してきた。

次元の捉え方がわかってくれば、複数の次元

を捉える事ができるようになり、意識が広がる

のである。さもなくば、単一の次元に留まり、

”自分の仕事に関係ないので知りません!”

という指示待ち状態になってしまうのである。

これでは、ティール組織へ向かえないのだ。

 

では、複数の次元を捉えることができるよう

になるとはどういうことか?もう少し記載して

行きたいと思う。

 

 

・5次元でのマネジメント

Aさんという人間を考えたとする。Aさんが行動

を起こすことで、相手にも様々な影響を与える。

その行動をよりマネジメントすることで、他への

影響を良いものにしたり、悪いものにしたりする。

 

下図は当方が”アパレル・ファッション産業”とい

うものを捉えたものであるが、これは、各人に

よって捉え方が異なる。必ずしも同じにはなら

ないのであろう。すると、この捉え方によっては、

”産業”という生命体を動かす方法も異なってく

るのであり、人それぞれのマネジメントの仕方に

なってくるという訳だ。

そして、この”産業”が生命体として躍動してい

るかどうかを日々、意識を張り巡らせるので

ある。少しでも何か事象が起これば、病気に

ならないか?機能不全にならないか?を配慮

していかねばならない。それが当事者として

の意識である。

 

”産業”の1つ下の次元に”業界”があるが、

この業界の理事長であるかのごとく、”アパ

レル・ファッション産業”に関わっていく意識を

持つのである。本当に当事者意識を持ってい

ると、次にどう動いていくのかが分かってくる

のである。

 

例えば、業界が、”メンズ紳士服業界”という

右手の役割を担当しているとしよう。

業界の理事長であるかのごとく、Aさんは

”アパレル・ファッション産業”に関わっていく

のであるが、その産業は、上手く機能してい

ない。では、どうすれば、上手く機能していく

のであろうか?ここを真剣に考えていくのだ。

 

メルカリやZOZOというインターネット販売が

台頭しているが、産業全体が躍動している

という訳ではない。では、なぜ産業全体が

躍動しないのか? 理由はこちらを参照

 

1.そもそも商品(サービス)がよくない

自分たちの提供したいものは何か?(=こだわり)

お客さんが求めているものは何か?(=思いやり)

この2つはどちらも大事で、どちらかだけに

偏るからギャップが生まれるのだ。自分たち

のこだわりや売りたいものだけを打ち出しても

お客さんとの距離は開いていくし、逆に流行や

お客さんのニーズばかり追いかけていたのでは

生産が追いつかないし、ブランドそもそものコン

セプトが崩れてしまう。

大切なのは【両方のバランス】なのであろう!

 

2.商品の価値がちゃんと伝わっていない

似たようなデザインの服なのにブランドのタグ

がついてるかどうかだけでなんでこんなにも

値段が違うの!?!?

これは本当によく聞くお客様の声であろう。

昔はそれなりの値段を払ってブランドの服を

買うことが【当たり前な時代】であった。

それが、ファストファッションの台頭によって

時代は変わった。安くてもおしゃれは楽しめる

時代になったのである。

じゃあブランド店はどうしたらいいのか??

それは、これからその商品やサービスを購入

することによってどんな体験ができるか?

いままで、どんな事例があるか? 

を伝えることである!実際に喜んでくださった

お客様の事例を交えて、そのお客様が商品を

買うことでどんな体験をして、それを通じてどう

変わっていったか?体験前と体験後、ビフォー

アフターを伝えることが大切だ。

 

3.お客さまに信頼されていない

信頼関係を積み重ねていけば、リピーター

となってくれるお客様、周りの方を紹介して

くださるお客様が現れる。そういった方々に

自分たちのできることを精一杯やって、信頼

をつみ重ねていこう!

 

 

これらを真剣に考えているからこそ、ティール

組織として取り上げられている会社である、

メンズ・ウェアハウスは、下図のような戦略

を取るのであろう。詳細、①はここ②はここ

 

まさに、自らの会社は、心臓のような重要

でハートフルな役割を担っているのだ!と

勝手に仮想し、それをあたかも現実かの

ごとく、徹底して社内でやり切ったのである。

 

つまり、上記の1、2、3をやり切ることを

徹底していったのである。具体的には、

従業員を徹底教育し始めたのである。

しかも、給与は業界平均値を大きく上回る

金額をだして、一人一人をまるで医者・

弁護士であるかのごとく、先生!という

接し方を徹底したのである。販売員を、

ファッション・コンサルタントという名称を

与えて、本当にコンサルタントかの如く

扱っていったのである。

 

こうすることで、

1.サービスがよくない

2.価値がちゃんと伝わっていない

3.お客様に信頼されていない

という3つの問題をクリアしていったのだ。

 

このように、ファッション・コンサルタントか

のごとく扱うよう発案したのは、CEOである

ジョージ・ジンマーという人物であったが、

これがティール組織になると、Aさんという

メンバーからこのような提案がどんどん上

がってくることになるのであろう。そして、

それをやってみよう!というのかどうかは、

組織長、社長の判断となるのであろう。

 

このようなAさんからの提案を、組織長や

社長がうっとおしく思うのが今の現状であ

ろう。なぜなら、ヒエラルキー組織であるた

めに、そのような提案をされては、上司と

しての立場が危うくなるからである。

上司は絶対的でなくてはならない!という

古い信念の世界では、絶対権力を手放す

ことができないのだ。これを”エゴ”と呼ぶ。

 

エゴがない組織長、社長であればこそ、

ティール組織に向えるのであろうが、エゴ

が強い場合は、到底難しい。

高い次元からのマネジメントもさることなが

ら、組織長、社長のエゴを取り除くことも、

また重要なのである。

 

話を戻すと、

このようなAさんの行為が5次元のマネジメ

ントと呼ばれる。”アパレル・ファッション産業”と

いう生命体が、きちんと機能できるように各部位

の役割を理解しつつ、その下の4次元での”メン

ズ紳士服業界”が衰退している現状を鑑みて、

さらにその下の3次元での”会社”が変革期に

あることを予測し、さらにその下の2次元での

”組織”が配慮した動きを取るであろうと予測し、

さらに、その下の1次元であるAさん自身が

ファッション・コンサルタントになるための研修を

受けることで、”アパレル・ファッション産業”に

貢献できる!と思って、組織長、社長へ提案

するという行動をとったのである。

 

このAさんのようなメンバーがいれば、5次元

という高い次元からの意識で、提案や行動を

してくるのであり、それが他のメンバーへの

刺激にもなるのだ。こうして、ティール組織は

お互いに刺激を与えながら、進んでいくことに

なるのである!