組織の病気のパターン「口のトラブル」 | 続・ティール組織 研究会のブログ

続・ティール組織 研究会のブログ

ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

人間の場合の病気のパターンから

組織の場合の病気のパターンへと

考えることにより、解決方法も見えて

くるのだ。では、組織の病気の方を

みてみたい。

 

三位一体の理論より、図のような

3つの要素がバランスよく成り立っている

のが健全な状態であった。

これが病気になると、どれかが酷使され

ることで、機能不全を起こすのである。

バランスが取れなくなった状態を、

”病気”と呼ぶのである。

 

 

・口のトラブル

〇組織形態からみた場合

口というのは、食道と気道につながっている

腔であり、潰瘍や痛みなどといったあらゆる

症状と関連している。

唇は、食物をとらえたり、発音を助けたり、

口笛を吹いたり、微笑んだり、キスしたり、

歯を保護したり、といった様々な機能を

持っている。唇のトラブルには、腫れ、

ひび割れ、痺れ、ヘルペス、乾燥、麻痺、

三ツ口、癌などである。

上の唇は私たちの欲求と関係している。

下の唇は私たちを取り囲む環境と関係

している。唇を噛むといういうことは、

自分が言ったことに対して激しい怒り

を感じている、ということを表している

のであった。

 

組織も同様で、口というのは組織長に対し、

会社に対し、他部署に対し、顧客に対し、

言いにくいことでも言ってくれる役割を担う、

とても勇敢で、ありがたい器官である。

その分、成り手が少なく、任された人は

常に皆から注目され、前に立たされる

政治家のような振る舞いが要求される

のである。

 

おおにして嫌われ、ひどいことを言われ、

攻撃の対象になってしまうこの役割は、

ひどくストレスが溜まるため、ストレス耐性

に極めて強い人が適任であろう。弱い人

に担ってもらうと、矢のような攻撃に途端に

滅入ってしまうであろう。

このような口の役割を担ってくれる担当者

はとても貴重であり、組織には欠かせない

のである。あなたの組織にも、このような

役割をきちんと全うしてくれている人は

いるだろうか?いたら感謝の気持ちは絶え

ず忘れないことである。本当にありがたい。

 

 

〇各メンバーからみた場合

口は、消化システムの入り口である。

したがって、そこにトラブルが生じるということ

は、あなたが、何か新しい考えを飲み込み、

消化し、同化するのを拒否している、という

ことを意味している。その新しい考えは、

自分自身から来たものかもしれないし、

他人から来たものであるかもしれない。

状況をきちんと確認もせずに、あまりにも

性急に反応することによって、拒否が起こる

のである。

 

組織でも同様で、口の役割の担当者が会社、

他部署、顧客などに対し、発言する言葉は

組織長の代弁とみなされるので、その言葉

にはとても重みがあるのだ。勝手に独断と

偏見で発言することは許されないのだ。

かといって、一言一句、管理職に発言内容

のメモをチェックしてもらうのか?というと

そんな時間も労力もないので、チェックなど

されない。チェックされないがゆえに、状況

判断を誤ってしまうと、誤発言となってしまう

のであるから、状況の確認はとても大切に

なってくる。急がず、慌てず、十分に確認し、

それから堂々と発言していくことが望まれる。

 

とはいえ、不用意に発言してしまうことも、

多々あるだろう。その場合は、攻撃の対象

になりはするが、責任は管理職に降りかか

ってくるので、管理職も任命責任はとらねば

ならないことは要注意。

まさに首相と各大臣の関係に似ている。

大臣の発言で、首相が責任を問われる姿

を日々見ている我々は、容易に想像はでき

るので、任命責任は十分理解できるだろう。

 

 

〇管理職からみた場合

もしあなたに口のトラブルが起こったとしたら、

次のことを理解する必要がある。つまり、

あなたはあまりにも性急に判断しすぎたの

であり、その判断を再検討すべきである、

ということだ。仮に判断を再検討したところで、

あなたに、不愉快なことは何ひとつ起こらない。

逆に、それはあなたにとって有益な何かを

もたらし、それがさらに他の人に対しても

喜びをもたらすことになる可能性がある。

あなたは、新しい考え方の有用性をもっと

受け入れる必要があるだろう。

 

組織でも同様で、口の役割の人が軽く発言

をするようでは、各部署、会社、顧客から

つまはじきにされてしまう。そうならないよう、

慎重になり、いっさい発言しないと、組織が

今度は疲弊してしまう。

そのバランスがとても重要であり、状況判断

の力を試されるのが口の役割なのである。

コミュニケーション力に長け、ストレス耐性に

長け、威風堂々としたその姿は、組織の中

では注目の存在となり、常に前に前に立た

される存在なのである。

 

もし口の役割の担当者が暴走するもしくは、

いっさい発言しないなどの状態であったら、

管理職としてどうすればよいだろうか?

それは、自分が手本になって、どのように

振る舞えばよいか、どのように発言すれば

良いかの手本を見せていくという手もある。

なぜなら口の役割は組織長の代弁者なの

であるから。ただし、管理職の中には寡黙

でクールな管理職もいるであろう。発言が

苦手だから口の役割の担当者に任せっきり!

というケースもありえるだろう。そういう管理職

の場合は、口の人が的確な状況判断ができる

ようにもっと情報を与えるべきであり、もっと

考え方、企業理念、行動規範、マスタープラン

を説明していくべきであろう。

 

いかがであろう、口の役割がどれほど組織に

は必要とされているかがよく理解できたの

ではないだろうか。ぜひ、あなたの組織でも

口の役割の担当者を今一度、重役を担って

もらっていると認識し、育成していくべきだろう。