組織の病気のパターン「脊髄のトラブル」 | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

人間の場合の病気のパターンから

組織の場合の病気のパターンへと

考えることにより、解決方法も見えて

くるのだ。では、組織の病気の方を

みてみたい。

 

三位一体の理論より、図のような

3つの要素がバランスよく成り立っている

のが健全な状態であった。

これが病気になると、どれかが酷使され

ることで、機能不全を起こすのである。

バランスが取れなくなった状態を、

”病気”と呼ぶのである。

 

 

・脊髄のトラブル

〇組織形態からみた場合

組織で脊髄の役割といえば、組織を

支える大黒柱的な存在であり、かつ脳と

密な情報伝達を行う、つまり、管理職と

密な情報伝達を行う存在であるのだ。

脊椎がトラブルを起こし、脊髄にも異常

が発生すると、たちまち管理職との情報

伝達は途絶え、大黒柱的存在が倒れ、

組織も倒れてしまうのである。

 

それゆえ、この脊髄の役割を担う担当者

はリーダー的な存在であり、タフで体も

強い人が適任である。このような人が

組織に一人いれば、きわめて心強いこと

間違いない。管理職は逆に、負荷が掛か

りすぎないよう、十分配慮をしてあげねば

ならない人である。

 

 

〇各メンバーからみた場合

背中の真ん中のあたり、つまり腰椎の

5番から胸椎の11番までのあたりに

痛みを感じる人は、物質面での安全性

の脅威を感じ、不安になっているのだった。

背中の真ん中のあたりが痛むということは、

その人が、支えられていると感じるために

何かを持つ必要があるのに、それを自ら

に禁じている、あるいは他人に助けてもらう

ことを自らに禁じている、ということを示して

いるのである。そういう人は、何でも一人で

背負いこみがちである。人に任せることが

出来ないのだ。

 

組織でも同様であり、脊椎の真ん中あたり

といえば、メンバーに近い側の大黒柱と

いえる役割だ。この役割を担う人は、常に

メンバーから頼られるのであり、自分から

メンバーに頼ることはほぼない。

それゆえに、作業がもう追いつかなのでは

ないかという物理的な不安を常に感じつつ、

それでも人を頼ることはできず、何でも

一人で背負いこんでしまいがちである。

大黒柱といわれれば、言われるほど、

背負いこみがちになるのである。

 

 

背中の上の方、つまり第10胸椎から頸椎

に至るあたりが痛む人は、愛情の面で

安全が脅かされていると感じてるのだった。

そういう人は、”する”ことに関わる側面を

とても重視する。というのも、”する”ことに

よって自分の安全が確保されると思って

いるからである。したがって、誰かが自分

のために何かをしてくれると、この人は、

自分が愛されている感じるのだ。

自分自身も、他人に愛情を表明する時は、

その人のために何かを”する”。

 

組織でも同様で、脊椎の上の方といえば、

脳に近い脊椎であり、管理職に近いという

ことになる。次期管理職候補、リーダー、

係長やサブリーダーなどの方々がこの

役割を担うことが多い。

この役割は、おおにして安全が脅かされ

ているといえる。様々な角度から管理職

へのステップとして厳しい目を向けられる

のであり、何かをしていないと、評価され

ないのでは?という強迫観念にさらされ

ている人が多い。

それゆえ、何かを”する”、何かをせねば!

という思いが常にあり、時に焦りとなって

しまう場合もある。

 

 

〇管理職からみた場合

脳と脊髄を中枢神経といい、末梢神経から

送られてくる情報を受け、それに応じて指令

を発するコントロールシステムの役割をはた

している。末梢神経は、体の隅々にまで

広がる通信網で、中枢神経に情報を送る

一方、中枢神経から送られてくる指令を体

の各部分に伝達する。

 

この脊髄の役割を担う担当者はもはや

組織には欠かすことができない大黒柱で

あって、コミュニケーションの中心的役割

を担う人なのである。

この担当者が誰にも頼ることができず、

抱え込みすぎて倒れてしまったならば、

組織は崩れ落ちていくことは自明である。

管理職は、この担当者を十分配慮して、

常に負荷がかかりすぎてないかをチェック

する必要がある。なぜなら、この担当者は

自分から言い出せないからである。

言い出さないから良いのでは?と思ったら

大きな間違いで、言い出せない!という

ことをよく管理職は理解して、マネジメント

をしていかねばならないのだ。

 

 

もし、組織の脊髄の役割を担う担当者が

疲弊しているようであれば、組織から

管理職へのメッセージはこうだ。

「他の人たちを幸福にするためには、あなた

がすべてをやらなければならない、と考える

のはもうやめよう。もちろん、あなたは、

これからも、他の人たちのために何かをし

続けても良い。ただし、その”動機”を変え

なければならない。今後は、愛する人の

ために何かをするときは、愛ゆえにそれを

する、つまり、相手を喜ばせるのがうれしい

からそれをする、というふうにしてほしい。

あなたは、もう無理やりみんなの支え手に

なろうとしなくてもいいのである。」

 

脊髄の役割を担う担当者が疲弊している

ということは、管理職であるあなたが上記

のような思考をしているからこそ、担当者

を楽にさせてあげることができないのだ。

マネジメントができていないということだ。

管理職であるあなた自身が、その”動機”

を変えねばならない。

無理にみんなの支え手になる必要はなく、

会社や顧客や他の部署が喜んでもらえる

のがうれしいから行動するというふうに

”動機”を変えねばならないのだ。

 

脊髄の役割の担当者をもっと配慮し、

組織全体が”支えねばならない”という

自己犠牲の精神に浸らないよう、注意を

向けていかねばならないのだ。

 

あなたが支え手として全責任を負う必要

はなく、他にも優秀な管理職やメンバーが

会社には多数いるのだ。

もっと他を頼ってもいいのである。

頼れないのは、管理職であるあなたの

思考がそうさせているだけで、実際は、

頼めば、いくらでも協力してくれるのだ。

あなたのその思い込みを取ることで、

新たな世界が開けてくることを知って欲しい。

さあ、勇気を出して、他を頼ってみる行動

をとってみよう!