組織の病気のパターン「顔のトラブル」 | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

組織を人間として捉えた場合の、

組織の機能不全について少し記載

をしたい。組織も生き物である以上、

健全な時も、病気になる時もある。

 

人間の場合の病気のパターンから

組織の場合の病気のパターンへと

考えることにより、解決方法も見えて

くるのだ。では組織の病気の方を

みてみたい。

 

三位一体の理論より、図のような

3つの要素がバランスよく成り立っている

のが健全な状態であった。

これが病気になると、どれかが途絶える

ことで、機能不全を起こすのである。

バランスが取れなくなった状態を、

”病気”と呼ぶのである。

 

 

・顔のトラブル

〇組織形態からみた場合

顔とは、人間の頭部の前面のことである。

我々が、誰かを見るとき、普通はまず顔

に注目する。顔は、その人のアイデンティティ

が存在する場所だからだ。

では組織では顔にあたる部分は、そう、

管理職のマネジメント役の方が担当する

ポジションであった。詳細はこちら

よって、顔のトラブルとは、マネジメント

のトラブルのことである!

目が見えないならば、各メンバーのことを

マネジメントできないということであるし、

鼻が効かないのならば、リスクが察知

できないということである。

いずれにしても、組織運営の危機に

直結するのが顔のトラブルであろう。

 

〇各メンバーからみた場合

顔のトラブルにもっとも見舞われやすい

のは、すぐに恥の感覚を持つ人、ちょっと

したことで侮辱されたと思う人、すぐに

罪悪感を持つ人、人の期待に応えようと

ばかりしている人もまた、面目を失うこと

を恐れている人であった。詳細はこちら

そのために、誰に対しても愛想をよく

しようとするのである。

 

では、組織の場合で考えると、顔の役割

である課長や副課長などのマネジメント

を担当する方が、罪悪感を持つ、

人の期待に応えようとばかりしている、

面目を失うことを恐れている、という

”思考”を自覚なく、しているからこそ、

組織自体もまたそのような思考になる

のである。

 

この場合の機能不全の傾向として、

上図より、マネジメントを担当する方は

”発信”の役割であったが、この発信が

・罪悪感たっぷりのゆがんだ波動になり、

・人の期待に応えようと本来の組織らしさ

とは異なる体裁を気にした波動になり、

・面目を失うことを恐れた波動になるのだ。

 

想像しただけでもすぐわかるとおり、

このような波動を毎日、組織の中に発信

し続けられれば、メンバーはたまらない。

やがて、各メンバーも同様に罪悪感、

体裁ばかり気にする、失敗を恐れる、

というような行動をしだすのである。

これが機能不全に至る行動となるのだ。

 

〇管理職からみた場合

人間が顔のトラブルを抱えていると

したら、体からのメッセージはこうであった。

「あなたは、他の人があなたのことをどう

思うかということを気にしすぎている。

そのために、あなたは自分自身である

ことができていないのだ。自分自身に

関してあなたが持っているあらゆる

思い込みは、今ではもうあなたの役に

立たない!メリットよりもデメリットの方

が多いのである。あなたはそろそろ、

『自分の本当の顔』を取り戻さなければ

ならない。つまり、『自分自身になる』と

いうことである!」

 

これが組織の場合も同じことがいえる。

組織の顔である管理職が持っている

思い込みが、今ではもう組織の役に

立たない!メリットよりもデメリットの方

が多いのである。組織はそろそろ、

『組織の本当の顔』を取り戻さなければ

ならない。つまり、『組織自身になる』と

いうことである!

 

社長から言われたことに素直に従い、

各メンバーに多大なる無駄な作業を

する羽目になったり、無理難題をいう

お客様に対しても毅然とした態度を

取れずに、結局とんでもない作業を

させられることになるのである。

このようなことが、組織にとって健全

といえるであろうか?

組織も生き物である以上、本来の姿、

本来の役割というものがある。

この組織がどうあるべきか?を常に

考えて、組織自身になることが必要だ

と管理職が認識せねばならない。

 

 

・解決方法

〇組織全員への質問

組織形態に起こっていることを最も的確

に言い表わすには、どんな言葉を使えば

いいだろうか?

今、組織形態に起こっていることを、

どんな風に感じているだろうか?

 

この質問に対する答えをみれば、

その病気を引き起こした人や状況に

対して、組織がどう感じているかが

明らかになる。なぜなら組織も生き物

なのであるから。

 

〇各メンバーへの質問

A.この病気があるせいで、組織は何を

することができなくなっているだろうか?

 

この質問に対する答えをみれば、

ブロックされている組織の欲求が

あきらかになる。

 

B.この病気があるせいで、組織はどんな

形態になれずにいるだろうか?

 

この質問の答えは、

「組織は、〇〇形態になれずにいる」と

いった内容になる。

 

〇管理職への質問

組織が〇〇形態になったとしたら、

組織の将来は、どんな嫌な事、または

困ったことが起こりえるだろうか?

そのことで私は、どんな風に組織を

裁くだろうか?

また、他の人たちは、どんな風に組織を

裁くだろうか?

 

この最後の質問に対する答えは、

”管理職の”、ためにならない思い込み

を明らかにするのだ。

この思い込みは、組織の欲求を

ブロックし、組織が成りたい形態に

なることを阻止している。

その結果、組織形態に問題が

起こっているのである。

 

「〇〇形態になりたい!」

これが組織が本来なりたいものを

表している。でもその欲求は、管理職の

思い込みによって阻まれているのだ。

 

管理職は、役に立たなくなった

思い込みを知ることが出来たであろう。

組織が成りたい形態になることを妨げて

いる思い込みを自覚することができた

であろう。

 

原因は、ずっと以前に、もう二度と痛みを

感じまいとして、そうした思い込みを作って

しまったトラウマとコンタクトを取って、

管理職がそういう思い込みを作ったという

ことを完全に許すのだ。

そして、幸せになるために、その思い込み

をまだ管理職が必要としているかどうかを

問うのである。

もし答えが「イエス」であるなら、

その思い込みはまだ、組織のために

なっているということだ。

ただし、その思い込みを持っている限り、

組織は必ずまた同じ問題に遭遇する

ことになるであろう。

 

もし、管理職が、これ以上その思い込み

を持っているのは嫌だと心の底から

思うなら、組織に対して、成りたい組織

になることを許し、そのために必要な

行動を起こしていくべきである。

それが”ティール組織形態”というので

あれば、その形態に組織が進める

ような行動を起こしていくべきである。

さあ、勇気を持って前に進もう!