こんにちは。ニューヨークで役者やってます、まみきむです。

NYアクターの生活、オーディション、現場での様子などをお届けしています。

 

以前もお話ししたSAG Awards過去記事参照)の候補作を、連日時間の許す限りせっせと見ている…

これらの候補作は、発表されたばかりのオスカーの候補作と、結構ダブっているので、これ幸い!…と「話題作」を見まくり、実はその感想文をブログに書こうと思っていた…

 

…のだが、立て続けに3作、私にとってはどハズレだった…実は、私はハズレ作品については、何も言わないようにしている…ただ、映画の作品そのものはツッコミどころ満載でも、俳優が素晴らしかった…とか、何か印象に残るものがあれば、話は別なのだが(過去記事参照)、一体何でこれがそんなに評価を受けているんや?!というものも時にはあるわけで、今回それがたまたま3本続いてしまった…

 

実はこれはちょっと計算外だった…いずれもオスカー候補作にもなっていたので、3本も見れば、どれか1つぐらいは感想を書きたくなるものがあるに違いない!…と思っていたのだが、これでは何も書けんではないか?!実は昨日更新ができなかったのは、そのせいである…

 

今回のノミネーションは、他では評価の高かったインディ作品が軒並み落ちており「これも入ってない?!」というのが多かったので、ついつい「それ以上の作品」を期待してしまったのだが、これでは、候補作を選ぶ選考委員に「ホンマにちゃんと見とったんか、あんたら?!」と突っ込みたくなる

 

 

もちろん、いくら選考委員でも全ての作品を見るのは不可能で、やはり「これ見てよろしくお願いします!」とキャンペーンしてくれるところ…をカバーするので手一杯…と言うのはよくわかる…私も去年SAG Awardsの選考委員をやった過去記事参照)が、その時は70~80本の映画を1ヶ月くらいで見なければならず、これは結構きつかった…中には自分の趣味でない映画も含まれるので、休日に気晴らしに映画見に行こう!と言うのとは、全く次元の違う作業である…しかし、それが選考委員の役割なのだ…

 

その時に、どうしても有名スターの出ている作品の方が話題性があり、それならまず話題作から見よう…という事になるのは、ある程度理解できる…が、それ以外の作品は「見てないから選べない」と言うのでは、苦労してそれらの映画を作った人達が浮かばれないではないか?!

おまけに、おそらく今年の対象作品は、コロナ禍中に撮影されたものか、コロナ前に撮影されたものの、コロナ禍の為に劇場公開を待たねばならなかったものが多い…つまり、それだけ作り手の苦労や思入れの強い作品ばかり…ではないか、と想像される…なら、同じ業界でその苦労がわかるアカデミー会員なら、もっとちゃんとやれよ!…と突っ込みたくもなる…

 

百歩譲って、候補作がいずれも力作揃い…と言うなら、まだ納得できる…同じくらいの出来なら、やはり金を使っている方が、その分雇用も多いわけだし、その分映画業界に貢献してるから…かどうかはともかく、まぁ、金のある方が力を持つのは資本主義の鉄則なのだ…しかし、〇〇と△△を落として、これ?!…というのが、3本も続くと、オスカーやSAG Awardsそのものの価値も疑いたくなる

 

とはいえ、「ハズレ」というのは、あくまで私の個人的な好みに過ぎないのかもしれない…私はやはり職業柄、俳優の仕事を重視しがちなので、俳優達がいい仕事をしてる作品を「アタリ」と思うのだが、世の中には俳優なんて刺身のつま程度のもので、美しく迫力のある映像が見られればそれでいい…と思う人や、ともかく好きな大スターが出ていればいい…という人もいるかもしれないのだ…そして、そういう人達が候補作を選べばこういうラインナップになるのかもしれない…ホンマにええんか、それで?!という問題はさておき、私が「時間返せ!」と思った同じ映画を「すごく良かった!」という人もいるかもしれない…というか、いたからこそこれらが候補作にラインナップされているのだろう…

つまるところ、これは全く好みの問題以外の何でもないのだし、それ以上の価値や権威をこういう賞に期待するのが間違いなのだ…と割り切るしかない…

 

そこで気を取り直して、別の映画を見る…これもオスカー候補なのだが…何とこれもハズレ?!何やねん?!…というわけで、今日も感想文は書けなかった…明日に期待しよう…

 

 

★過去記事★