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「LADYPEAK」#5

ビルとビルの隙間に、コインパーキングがある。
桃葉は黒ウサギを背中からおろして、ウサギの頭に手を突っ込んだ。光沢のあるピンク色の革財布が出てきた。
精算機にコインを入れて、財布をウサギの中にしまった。
停車板が地面に収納されていく。パーキング内で一際存在感のある大柄のボディ。黒いクロスオーバーは、ドイツ車だが右ハンドルだ。
桃葉は後部席のドアレバーを引いた。重厚なドアが開き、機械音と電子音が小さく聞こえた。黒で統一された静閑な空間が現れた。
「どうぞ。後ろに乗ってください」
春江と和代が乗り込んだのを確認して、桃葉はドアを閉めた。
「ここから、二十分ほど走ります。おなかは空いていませんか?」
桃葉は助手席に黒いウサギを座らせながら、二人にたずねた。
「さっき、ケーキを食べたからねぇ。でも、少しお腹が空いたかしらねぇ」
「わたしは大丈夫だけど、お昼にしてもいいわよ」
桃葉が運転するクロスオーバーは、スルスルと滑るように走りだした。高音質のFMが流れる車内には、外の音がほとんど入ってこない。
車道に合流して、すぐに停車した。先ほどのガールズブティックの前だ。
「ちょっと、荷物を取ってきます。待ってもらってばっかりで、ごめんなさい」
車を降りて、小走りで店の中に入っていく桃葉。
ピンクのツインテールが揺れる後姿が見えた。
少女は、すぐに出てきた。両手に大きな紙袋を持っている。後から店員らしい女性が一人、やはり大きな紙袋を一つ持って桃葉について歩く。
「ここに置いてください」
助手席側のドアを開けて、全ての荷物を足元とシートの上に置いた。黒いウサギは、後部座席の春江と和代の間に座ることになった。
黒いクロスオーバーが、再び走りだした。
「なにか食べたいものはありますか?」
「そうねえ。わたしは、あっさりしたものがいいかしら。春江ちゃんは、なにが食べたい?」
「お寿司」
窓の外を眺めながら、春江は独り言のようにつぶやいた。
「春江ちゃん、ホント、お寿司が好きよねえ。わたしも、お寿司でいいわ。桃葉さん、おいしいお寿司屋さんに連れてってくれる?」
「いいですよ。ちょうど向かっている先の近くに、おいしいお寿司屋さんがあります。あっ、わたしが勝手においしいって思っているだけかも」
女三人の空間は、騒々しくて、華やかだった。
広い車道を走っていた車が、路地に入っていく。コインパーキングに停まった車から降りる三人。正午を少し過ぎたところだった。




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