こんにちは5児のエンジニアパパA5です。
娘が小学校に上がるまでは
絵本や
『頭のいい子を育てる365のお話』を
寝る前に読んであげていたのですが、
小学校に行くようになってからは
世の中のルールや、物事の道理
社会のトレンド・流行りについても
理解できるようになってきたので、
出来上がったお話を読むだけでなく
自分の意見を考えたり、
物事に多様な形の解決方法がある
という事を教えるような話をするようにしています。
【3枚のお札 Part.1】
昔々のことです。
あるお寺に和尚さんと小僧さんが住んでいました。
ある日、小僧さんは裏山に栗を拾いにでかけました。
裏山には鬼ババが住むという噂があるので、
小僧さんは和尚さんに
「身を守るためのお札をください」とお願いし、
3枚のお札をもらって山へ入りました。
鬼ババが怖くて誰も入らない山なので
栗があちらこちらに沢山落ちています。
小僧さんは自由きままに嬉しくて
夢中で栗を拾っているうちに
すっかり暗くなってしまいました。
帰り道がわからなくて困っていると
「どうしたんだい小僧さん?」
と優しい顔のおばあさんが現れ
事情をはなすと、
一晩とめてくれることになりました。
栗料理をたくさん出してもらい、
おばあさんの優しさがうれしくて
目に涙を浮かべながら食べました。
そして、
お腹がいっぱいになった小僧さんは、
ぐっすり眠ってしまいました。
夜中になって目が覚めると
優しい顔のおばあさんの頭に角が生え
口が耳までさけており、
「この栗泥棒め!小僧とて容赦せんぞ、お前を喰ってやる!と
小僧さんの着物を破りました。
しかし、
小僧さんを見ると
鬼ババの頭から角が消え、
優しい顔に戻り、目には
涙が浮かんでいます。
破られた着物の中に
お札を見つけたおばあさんは
「これは本当に困ったときのためにとっておきなさい」
と、言って
翌朝小僧さんに沢山の
栗を持たせて帰しました。
小僧さんは
不思議な気持ちと、
不安な気持ちでお寺に帰ると、
和尚が
「どこをほっつき歩いておったのじゃ!」
と大声で怒り、
小僧さんは怖くて
硬くなってしまいました。
優しいおばあさんの顔を
思い出した小僧さんは
「お札よ助けて!」と言うと、
和尚の怒声が
ミュートされました。
どんなに怒鳴りつけても
小僧さんが平気な顔をしているので、
和尚は警策や火箸を取りに行きます。
(警策:ざぜんのときにたたく棒)
小僧さんが
「お札よ助けて!」というと
警策も火箸も、
痛くも熱くもありません。
いつもと違うリアクションに
たまりかねて
ついに和尚がげんこつを握ります。
目をつぶって
小僧さんが願ったとたん、、、
ふすまが「ぴしゃん!」と開き、
役人がぞろぞろと入ってきて、
小僧さんを連れだしてしまいました。
和尚は叱られたものの
お寺に残る事は許されました。
しかし、
小僧さんがどこに行ったかは
全く分かりません。
それ以来
鬼ババのところには
遠くのお寺から手紙が届き、
秋になると里には
にこにこ顔のおばあさんが現れ、
村人に美味しい栗をくばるように
なったということです。
おしまい。