先週末、相方から高価な赤ワインを入手したよ~とのメールが入り急ぎ駆けつけると、そこにはふさぎ虫にかまれた相方がいた ならば、映画鑑賞で元気が出るといえば、「エリン・ブロコビッチ」これしかない 「1993年アメリカで実際に起こった訴訟事件を映画化、実在の人物が体験したことをほとんど脚色せずに作った」と脚本家が語り、エリン・ブロコビッチ自身も出演(レストランのウェイター役)していたり、ロケーションも実際の場所で行われ、エキストラの多くも実際の事件に関わった人たちが出演しているというように、スティーブン・ソダーバーグ監督は徹底的に「事実」にこだわった超力作である 何よりも、主役のジュリアロバーツの演技が最高だった 三人の子持を抱え仕事に奔走するシングルマザーの役どころは、過去のわたしをつい重ねて苦笑いする場面もあり 米国史上最高額の「3億3300万ドル」を勝ち取り、エリン自らも2億円以上の破格のボーナスを手にするラストシーンは実に爽快だった ところで、本人がこの訴訟中に、サンプルの汚染物と接触したのが原因で鼻に腫れ物ができてしまったことはあまり知られていないが、文字通り身体を張って奔走した証しでもある この勝利を契機に彼女は会社を設立 今も大忙しとか・・・ 今日の茂木さんの呟きも怒っていた 自分の怒りはあくまで義憤であって私憤ではない そして、怒りの対象は制度やシステムであって、決して生身の人間ではない等々 ジュリアロバーツが映画の中で「勝ち負けじゃないの 大企業から嘘をつかれた住民が健康を害したことへの抵抗なの」と訴訟に対して弱気になっている夫人を勇気づける姿と似ている 福島原発の事件も、真実が隠ぺいされた点にみなが怒っているわけで どの時代であっても、真っ直ぐに生きている人間にひとは惹かれるし、自分もかくありたいと願うものである  

そして、今日は講習がドタキャンとなったお蔭で、その足で映画館へ直行 しんちゃんが号泣したという「ALWAYS 三丁目の夕日」第三作を観た 自分も生きた昭和のクオリア、ひとのこころの温かさ、そして元気だった日本にどっぷり浸った 映画を終えて携帯の電源を入れると三人の子供たちからメールが入っている 朝、母と口喧嘩したことを彼らに愚痴ったのだが、其々が返信してきたメールの内容は「おばあちゃんは独り寂しいんだから 優しくしてあげて!」等々 なんとも・・・自分がとても小さく感じた 反省します 

仲間のはっちゃんが遂に夢を叶えた 今月19日本町にオープンした、エステサロン ペルシアンローズへ、先日娘と一緒に伺った この数年、紆余曲折あった彼女 6ヶ月の職訓を無遅刻無欠席で卒業し、やっと就職が決まったというのに震災で解雇 でも、最後まで諦めなかった ドアを開けるとアロマのいい香りと、快楽ホルモンドーパミン溢れる空間が目の前に現れた 因みにこの私は、エステなるもの初体験である 選んだコースはリンパマッサージハーフコース 気持ちいいと言いたいところだが・・・痛かった でも、リンパマッサージは体内の老廃物や余分な水分を排出し、美容やダイエットにも役立ち、免疫力を高めて病気を予防するなどの優れた効果があるわけで、マッサージを終えると体がふっと軽くなっていた(実際は軽くなっていない)何よりも、お金では買えない、月に一度の自分へのご褒美とでもいうのだろうか、そんな素敵な時間をお金で買った 感謝なり(ちなみに今日のお代は足湯とハーブティ付 2780円と格安)とはいえ「健康な身体は、健康な食べ物から」 そのシンポジウムへ出席された三浦先生から、昨晩貴重なお話を頂戴した 

大昔、天武天皇が「動物は食べちゃだめよ」のお触れを出してから明治に至るまで、日本人は表向き植物性タンパク質を工夫して旨みをとるようになった そんな歴史的背景が長寿国家となった理由であるという 遺伝子を作っている物質「核酸」が私たちの身体の誕生から成長・老化・死滅までを支配しているのだが、この旨みを感じるこころについて、服部栄養専門学校校長である服部氏が次のように語っていた 私の学校は栄養士を育てるところだが、バランスのとれた病院食や学校給食がなぜ食欲をそそらないのか・・・ それはというと 白熱球による視覚的な照明、うなぎの蒲焼のような旨い臭覚や、愉しい会話を含めた聴覚が一体になった時が最高の食を生み出すからである 併せて「食育」といわれている食卓でのしつけは8歳までに! 箸の持ち方や姿勢、生活習慣は大人になってからではなかなか変えられない また、そこで注意されることの習慣がひととしての忍耐力を生む等々、健康なこころをも作り上げる なるほど・・・今年の夏、ママになる娘に伝えねば 

余談だが、なぜか私の店には呑み過ぎて体調が優れない方もやってくる 今、お勧めのシチリアの薬草酒「ラマゾッティ」は、肝臓に効く竜胆エキスが含まれている 「これ、絶対に効きますからね」の私の脅しに誰もがイヤとは言えずお呑みになるが、次にいらした時に「翌朝、体調が良くなったよ」と笑顔・・・ 正直なところ、薬膳、薬草酒は予防医学であり、旨い酒も呑み過ぎれば万病のもと と、自分にいい聞かせて今宵も夜のパトロールへ出るのであった   

「生物と無生物の間」ですっかり彼の虜となり、「生命とは動的な平衡状態にあるシステムである」と提示した「動的平衡」から二年を経て、その続編が刊行となったのでご紹介したい 「動的平衡」1・2合わせて、この一週間、私は再び彼の世界にどっぷりと浸った 書に心奪われたのは震災後久しぶりのことかもしれない 3歳よりも30歳の方が体内時計の1年が早いのは何故か・・・齢をとると1年が早く過ぎるのは分母が大きくなるからではなく、ワクワクすることが減少するのでもなく、原因は老化 タンパク質の代謝回転が遅くなり、その結果1年の感じ方は徐々に長くなっていくにもかかわらず、実際の物理的時間はいつも同じスピードでついていく、というこの生物学的なロジックに引き込まれ、健康志向の人びとが、いつしか食べること、咀嚼することを怠りサプリメントに頼る 清潔志向の人びとが、身の回りを無菌状態にすることで、外界を隔絶する これは人体というメカニズムのバランスを損なう行為なのではないのか、という日頃の小さな疑問にあらためて整理がついたようにも思う

あとがきで福岡さんは、人生についても同じ 思うようにいかないこと、取り返しのつかないこと、人生には様々な出来事が起こるけれど、それは因果的でもなく予め決定されていたことではなく、共時的で多義的な現象がたまたまそのように見えているに過ぎない 私たちの世界は原理的にはまったく自由である それは自らが選ぶことも、そのままにしておくことも可能な世界なのであり、そこに意味があると、あくまでも生物学者のお立場で人生の神髄を語った 先週から始まったNHKスペシャル「ヒューマン何故人間になれたのか」と合わせて、人間とは何か 人間を人間たらしめているものとは一体何なのかを問いながら、寒い夜、おこたに入りながら是非とも読んで頂きたい書である

もうひとつ 今週は大寒気が襲ってるが。あと数か月もすれば、里に街に桜が咲き始める 日本全国で咲く桜、「ソメイヨシノ」はクローン、というと驚くけれど 異なる系統をかけ合わせた交配種で、子孫を残す能力がほとんどない一代雑種のこと 起源は江戸時代後期 その後、明治期に入り、染井村の造園業者によって「接ぎ木」という技術で育成され、全国に広がった 日本中の、また世界各地へ贈呈されたソメイヨシノは同じDNA指紋を持つという 春になり、美しい桜を愛でたときには、この話を思い出し、江戸時代からの脈々とした生命の流れに思いを馳せたいものである 勿論、旨い酒のお共として・・・