2月は母の誕生日に始まり、二人の娘の誕生日を経て、私の誕生日で終わる、バレンタインや節分の豆まき何ぞを加えると、大昔からイベント盛りだくさんの月であった。それに加え、今年からはアンディの命日。早めの確定申告。70数年ぶりとかの大雪。姪の高校受験やらで、あっという間に一ヶ月が終わった。そうそう、オリンピックもあった。羽生くんの金メダルはライブで見守った。多忙も過ぎると人間は気持ちに余裕が持てなくなる。朝から愚痴る母と衝突すると、その日は全てが空回り。ふう…
そんな時に突然、人生初のアルバイト先でお世話になった方から葉書が届いた。高校時代、時給は350円が相場だったと記憶する。対面式コーヒーショップでの仕事。コーヒーの種類、サイフォンでの美味いコーヒーの入れ方だけじゃなく、対面式カウンターでの接客は、その後の私の人生にとって、大きな財産となった。彼女は私にとって姉のような存在だった。昔から私は良き先輩に恵まれた。
メールが当たり前になってから、葉書というものが逆に新鮮で、手にするとそのひとの柔らかな息づかいまでもが感じられる。そこには、長い長い介護を経て今やっと自由な時間が持てるようになったこと、近いうちにお店に顔を出してくれること等が手書きで添えられていた。そして、昨晩彼女との再会。若い頃はCMモデルを経験した容姿は変わらず。その後、お見合いしたことまでは知っていたが、いつしか三人の母となり、舅と姑の介護を通して人間的に益々深みのある素敵な女性となって私の前に現れた。子育ては共に成長できるけど介護は共にへこたれると思ってた私を一喝。親にとって、子供はいつまでも子供であって心労は途絶えないものよ。でも、親の介護には必ず終わりがあるのよ。だからこそ頑張れるし、育ててくれた恩返し、最期まで心を込めて接してあげなきゃと…なぜこのタイミングで彼女と語ることができたのか。きっと、天国から父が送り込んでくれた刺客、いや天使の成せる技なのかもしれない。毎日毎日、辛辣な母との会話にへこたれそうになっていた私を元気付けてくれるために…母は、一日の大半を一人で過ごしているけれど、私は沢山の方と語り励まされる。新しい出会いもある。もう、年に不足はないんだから、子供達や後輩ののお手本になるような生き方をせねば…ね。
最後になりましたが、今年はたくさんの方々にお誕生日のお祝いをしていただきました。有難う。
号令をかけたわけじゃないのに、夕方になって、お花を抱えた雪ちゃん、日下、リテン、三浦さんと武田、はっちゃんにシゲちゃん、そして、最後はアンディの好物だったハードカレーを手土産に山田くんが次々と献杯に訪れてくれた。そう、昨日はアンディの一周忌である。早朝に長靴とスコップ片手に、私は三浦さんと共にみんなを代表して墓参りに向かった。三浦さんも語っていたが晴天のお陰か、一年という時の流れが深い悼みを癒してくれたのか、どこか清々しい気持ちで祈れた。この一年のお店の出来事をご報告。日下っちの入籍やワカメのおめでた。友ちゃんの結婚と恋するはっちゃんのこと等。生前、アンディが心配してたことばかり。あちらでホッと安堵してることでしょう。このところお店の空気は幸せムード全開である。今まで辛いことが重なったからね。みんなで幸せを分けてもバチは当たらないでしょ。流れる音楽はやっぱりユーミン。ベスト盤に入ってる「あの日に帰りたい」が流れると会話が止まった。あの頃の私に戻って貴方に逢いたい…そこに居合わせた誰もが、そう願って心で泣いた。三浦さんはホントに泣いてたけど(笑)
人間は二度死ぬという。たとえ肉体が滅んでも、家族や仲間が大脳皮質に記憶している限り、その人はそれぞれの心に生き続ける。お店が有る限り、アンディはいつもみんなと一緒に酒を呑んでるんだなって、実感した夜だった。いい酒だった。

追伸
突然、武田が、10年くらい前の出来事、私とアンディが酔っ払って階段を踏み外して転げ落ちたことに言及。映画「転校生」のように二人は入れ替わってて、亡くなったのは実は私で、カウンターに立つ私はアンディなんじゃないかと思ってると…(笑)
私はアンディ?う~ん、だんだんその気になってきた

久しぶりに、ゴメさんと友ちゃんとこで〆て帰宅。二日酔いで目が覚める。あ~またやってしまった…歳を取り、周りも変わり、諸行無常の世にあっても、これだけは変わらない飲兵衛の法則。重い頭でトイレに立つと、じぇじぇじぇ、廊下が豆だらけ。ついに母が呆けたか…。母の部屋を覗くと、何も変わらない様子の母。ねぇ、豆が散在してるけど、と尋ねると、あら、昨日は節分でしょ、と宣う母。朝に二人で豆を頂いたのだが…その夜に一人豆を撒いている母を想像すると、それはそれで恐ろしい。先週末の誕生日には、私と二人で国分町を三軒梯子した81歳の母。元気なら何よりと安堵するも束の間、翌日はおじいちゃんが迎えに来たと言っては涙し部屋から一歩も出て来ない。この数年、毎日がそんな繰り返し。振り回されて、ぶつかり合って、いつしか私は、黙って彼女に寄り添うことにしたのである。今年、母への贈り物は一冊の詩集「点滴ポール 生き抜くという旗印」著者は、岩崎航。
嗚呼、僕も
生きているんだ
青空の
真っ只中に
融け込んでいる
岩崎さんは3歳で筋ジストロフィーを発症。自宅で寝たきりの生活を送り、人工呼吸器を付け胃ろうで栄養を取る。私たちITサポートのもと、25歳でパソコンを使い創作を始め、昨年7月に五行歌と長編詩約220編を収めた「点滴ポール」を発刊。そのパネル展が一番町のあゆみBOOKSで開催されているので、同じ仙台に暮らす人間として是非応援して欲しい。また、イトイ新聞では彼との対談が掲載中なので、これもまたアクセスしてみてほしい。生きる、ということを改めて考えさせられる書である。
そして、いよいよ今日からソチオリンピックが幕を開ける。昼間、澄んだ青空が広がっていた仙台だが、今夜一番の冷え込みで大雪が降るとか…そういえば、昨年の今頃も寒かったな。流行りはじめたインフルエンザ予防に、この時期入荷する「かぼす搾り」は如何?五臓六腑にクエン酸が沁み渡る。ものかなしさと共に。