奇想の系譜@東京都美術館 | (新)なごやん

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名古屋からJリーグ アルビレックス新潟に熱い思いを送ります。旺盛な好奇心そのままに、アルビネタに留まらず、鉄道、芸術、SWL(短波・海外放送受信)、昆虫、等々、思いつくまま書いていきます。
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 仕事で上京した2月28日、仕事前に上野へ行きました。

 

 上野駅公園口には何故か消防車が停まっていて、私が着いて公園前の横断歩道を渡った途端、この場を去って行きました。ですから理由はわかりません。

 

 上野公園内を中へと進んで行くと、国立西洋美術館では「ル・コルビジェ」展をやっていて、雨にもかかわらず9時30分の開館を待つ人の行列ができていました。上野動物園の前の行列はもっと長く、色とりどりの傘がひしめいていました。

 

 これらを横目で眺めながら私が行ったのは東京都美術館で、着いたのがちょうど9時30分、開館したところでした。雨天とあってか、殆ど混雑はみられませんでした。

 

 ここでやっていた展覧会は「奇想の系譜」展という特別展で、1970年に「奇想の系譜」という美術史書を発表された辻惟雄さんの"後継者"である山下裕二さんが企画されたものです。

 

 この企画展では8人の画家ごとに展示されていました。

 

 最初は伊藤若冲です。

 まず、滋賀県のMIHO MUSEUMからの「像と鯨図屏風」が迎えてくれます。

 

 若冲です。とにかくウォーッと感動というか感嘆というか、圧倒されます。

 

 この展覧会では米国の若冲収集家、エツコ&ジョージ・プライスさんのコレクションも多く出展されていました(「紫陽花双鶏図」など)が、「個人蔵」とされる作品(「梔子雄鳥図」など)も比較的たくさんありました。

 

 私は宮内庁三の丸尚蔵館からの「旭日鳳凰図」の鮮やかさに釘付けになってしまいました。若冲の絵はとにかく緻密です。

 

 若冲の次は曽我蕭白で、グロテスクな絵が次々に現れます。童子が釈迦の前世である青鬼の修行を受けている「雪山童子図」はその最たるものです。

 

 長沢芦雪の絵では、ナメクジとその軌跡を描いた「なめくじ図」が面白いと思いました。

 

 岩佐又兵衛の絵では「山中常盤物語絵巻」が圧巻でした。

 

 狩野派きっての知性派と銘打たれた狩野山雪の絵では、「梅花遊禽図襖」に興味を持ちました。1画面に異なる季節が描かれています。

 

 これら5名に歌川国芳を加えた6名が辻先生の「奇想の系譜オリジナル6」とでも言うべき画家ですが、今回の展示では更に白隠慧鶴鈴木其一が追加されました。

 

 白隠慧鶴の絵では顔を極端に縦長に描いた「達磨図」が目を引きました。慧鶴が80代になって描いたもので、「朱達磨」と呼ばれるそうです。

 

 鈴木其一の作品では若冲の影響を受けたとされる「百鳥百獣図」が目立ちました。

 この絵は米国のキャサリン&トマス・エドソンコレクションからのもので、今回が初の「里帰り」だそうです。

 

 この展覧会では113作品が前後期に分かれ、一部入れ替えを行い展示されます。私が行った前期は80点でした。決して多い数ではないのですが、見応えがあり過ぎて、午後から会議を控えている私には時間が足りません。普段なら昼食はアトレとかエキュートで摂るのですが、この日は天候が悪いことでもあり、ギリギリまで滞在し、美術館のレストランでドリアを食べました。

 

 この企画のために何年か前から調査が行われたようで、その中で発見された絵画もいくつか展示されていました。

 都はこのために予算を組んだんですよね。恐らく一千万円の単位でしょう。もしかすると億?

 さすが東京、お金持ちです。

 

 芸術文化センターに理解を示さず、一方、カジノを誘致しようとする、教育・文化に興味がなく、ひたすら経済・経済・経済・経済の首長を擁するどこかの県とは大違いです(苦笑)。

 

 この展覧会は4月7日まで開催されています。他美術館への巡回はありません。

 

 これだけの「奇想」作家を一堂に会した展覧会はめったにないでしょう。首都圏の方はもちろん、東京へ出張される方は是非立ち寄られることをお勧めします。ただ、3月10日(日)のEテレ、日曜美術館で紹介されましたから、これから入場者数はドーンと増えるかもしれません。

   

 公式ツィッターを遡ると、私が行った2月28日は「雨天のためか、いつもより静か」だったようです。3月8日頃からだんだん混雑してきているようです。

 

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