6時間ぐらいでミック・カーンの自伝を読み終えた。
この本を読む多くの人とは違って
衝撃を受けたと思う。
多くの人はJAPANの実態的なところに驚くのだと思う。
しかし、膨大な時間を費やしてJAPANに接した
過去があると、うすうすわかっていたという部分は多い。
そういう人は実は少なくないのではないだろうか。
この本がこの数年で最もインパクトのある本だった。
本を読むのはかなり早い方なのだが、
ここまでのめり込んで読んだのはひさしぶりだ。
分厚い技術書を読んでいるから本を読むのが早いと
思われがちだけど、それは違う。
技術書というのは、最悪な書物である。
なぜかと言うと最初から最後まで読んで
わからない個所があり、何度も読み返したり
調べたりしないといけない。
しかもそうしたくないのに!
本を読み返すときというのは読みたいから読むのが普通だ。
読みたくないのに読み返すのだ。
そういった類の本が全部嫌いである。
聖書とかも全部読み返しましょうとか言う人は死んでもらいたい。
著しく意味がない部分がある。
誰々の子供は誰で、その孫は誰で、そのひ孫は誰でみたいなところ。
そして、ここはこういう意味でとか勝手な解釈をしている。
辞書のほうがまだずっといい、
開けばそこに意味が載っているのだから
技術書は、開きなおしてもわからないときがある。
技術書作成にかかわったすべてのエンジニアも
この意見を明確に否定できないと思う。
技術書は最悪の書籍であるということ。
速読は、18歳ぐらいのときに「カラマーゾフの兄弟」などを
さらさらっと読んでいたのでその時に鍛えられている。
明け方まで読んだりしているものだから
当然学校にはいけなくなる。懐かしい思い出だ。
ミック・カーンの自伝には、トニー・レヴィン
ビル・ブラッフォード、テリー・ボジオなどの
名前が出てくる。
結局どっかで、人というのはつながっていくのだと思った。
ともに歩もうが歩むまいが。
何に衝撃を受けたかなのだが、
JAPANで初めて買ったアルバムは、「錻力の太鼓」である。
これはラストアルバムであり、最も評価が高く
最も成功したので同じ人は結構いるはずだ。
このアルバムを買うのはけっこう迷った。
当時はインターネット上で試聴とかできない。
店でもリリースされたばかりの新作ぐらいしか試聴できない。
まったくどんな作品かもわからないものを
音楽評論家のレビューや人の噂、ジャケットなどから
購入を決断しなくてはならない。
なんてひどいんだろうと今では思う。
テレビで誰々が歌っているのを見て、
CDを買うというのは素直な買い方だ。
でも、結論を言うと自分がのめり込んだ作品は
どれ一つとしてそういう買い方ができなかった。
テレビのお茶の間にキング・クリムゾンが出演しない。
スミスだって出演しない。
だから、あの時みんなそうだった。
いつも一発勝負の賭けだ。
お金もちならいいのだが、10代の僕はほんとうに
アルバイトするまではお金がなかった。
2500円ぐらいの大きな出費をして
購入したのだが、すばらしいと何度も聴いた。
当たりだった。
ただ、それ以上に、変だと思った。
全部が変なのだが、
特にベースは異常中の異常という感じだった。
ミックも書いているが、ベースというのは非常に目立たない。
どんな演奏を誰がしているのかも人々の興味はないのが普通で
これはまさしくそうだと思う。
だいたいの人が、ボーカルとギターぐらいしか見てない。
スミスなどはその典型。
ただ、自分はその時はそうではなかった。
理由は、キング・クリムゾンのせいである。
クリムゾンにはまるとすべての楽器を聞くように
耳が変えられてしまう。
ジョン・ウェットンのベースがすばらしいと
思っていたし、トニー・レヴィンがすばらしいと思っていた。
そこにJAPANを聞くとすべての価値観が崩れていく感じになる。
何をどうやったらこうなるんだろう?
とずっと思ってきた。
自伝を読むと
あんなふうにプレイできる理由は天才だからにすぎないのだが、
どうしてああなったのかというのは、ものすごくリアルにわかる。
この衝撃を受けた部分については、また書こうと思うが
今日は一つだけにしたい。
ミックがベースを練習しはじめた当初
どんなベースプレイをしようかと思っていたのか?
ルー・リードの「Walk on wild side」だという。
読んでいる途中で唖然としてしまった。
http://www.youtube.com/watch?v=4wNknGIKkoA
今もアンドロイドのプレイリストに入ってるし頻繁に聞くし、
近所のメキシカンレンストランで食事をすればそこでもかかる。
たしかに聞くと似ている。
でもいまの今までそんなことをミック・カーンが書くとは
思いもよらなかった。
この曲が収録されているトランスフォーマーというアルバムは
大きな影響力のある作品だ。
モリッシーも、「satellite of love」をカバーしている。
歌詞はどれもこれも最悪な皮肉なのだが、それがおもしろい。
「perfect day」もすごい。完璧に素晴らしい日を歌っているように
見せかけて完璧にむなしい日を歌っている。
この歌を知ったきっかけは、佐野元春のラジオで
viciousとこれがかかった。
当時、急速に洋楽に傾倒したが、CDを買うお金はないので
佐野元春のラジオを全部録音して
そこからいろんな音楽を知って、
さらに無料で繰り返し聞いていた。
これならテープ代だけですむ。
今日は
この曲を繰り返し聴いた。