僕はこの歌を自由人の故郷ロンドンで聞いた。
UKシングルチャート4位にまでなった歌だが、そのときはいつレコーディングされるのかも全く未定という状況だった。モリッシーの歌である。彼はどこともレコード契約できなかった。しかし、それはそれで僕にはありがたかった。こじんまりとした会場でやってくれるのでライブが非常に楽しみだった。大きい会場ではやっぱり得られない雰囲気があるのだ。アットホームな雰囲気である。
しかしこの歌を聞いた会場は、大きい会場だった。歴史あるロイヤルアルバートホールである。アメリカからイギリスへというツアー日程だった。数日前にアメリカで新曲が披露されたというニュースが入っていた。曲名は、Irish blood English heartだと言う。インターネットのおかげでライブ録音が聞けたし、歌詞まで知ることができた。イギリスへ渡る前に僕はその歌詞を読んだのだが、とても偉大だった。
しかし、これが4位になるところがイギリスのすごいところである。日本ではあり得ない。
ロンドンで聞くことができたことを今でも幸せに思っている。
イギリスにふさわしい歌だからだ。
この前のBOXERSの翻訳と同じだが、山下えりかさんの訳をそのまま載せる。
「アイルランドの血、イングランドの心
これが僕を形作るもの
この地上に誰もいない
僕が恐れる人間など
そしてどんな体制も
僕を売り買いできない
ずっと夢見ているんだ。
イギリス人でありながら
有害でなくなる日を
国旗の傍らに立っても
恥ずかしいだの、レイシストだの、不完全だのと思わずにすむ日を
アイルランド血、イングランドの心
これが僕を形作るもの
この地上に誰もいない
僕が恐れる人間など
やがて死ぬとき
僕の両手は縛られていない
ずっと夢見ているんだ
イギリス人が労働党にも保守党にも辟易し
オリバー・クロムウェルの名に唾を吐き
いまだに彼に敬意を払い、これからも払い続けていく
英王室の系譜を糾弾する日を」