伊吹山といえば(イヌワシ) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

7月の三連休の事です。

伊吹山を登りました。

9合目までは車で、残りは徒歩です。

登山道は整備されていました。

道を選べば、軽装でも大丈夫なようです。




車でドライブウェイを登っていた時でした。

突然、前方から猛禽が飛び立ちます。

足には蛇を捕まえていました。

その時はトビだと思いましたが…

「伊吹山」と「猛禽」で思い出しました。

イヌワシかもしれません。



山頂の駐車場に数名のCMを見つけました。

三脚に大砲レンズ、デジスコの方々です。

皆さん、強者(つわもの)感が凄くて…

手持ち撮影の私は、気後れしてしまいます。

 

また、雲が立ち込めていました。

野鳥を探すには、視界が悪いです。

一応、カメラは車に積んでいましたが…

下調べ無しで、出会えるとは思いません。

そもそも、避暑と登山のつもりでした。

家族もいるため、当初の目的を優先します。



無事に登山を楽しみました。

途中、山の斜面にニホンジカを見つけます。

また、帰り道は所々の駐車場で停車しました。

山や周辺の景色も楽しみます。

 

 

 

 

「あれ、トビかな?」


伊吹山の南東側の駐車場での事です。

妻の指差す方向に1羽の猛禽がいました。

霞む視界の中、カメラを向けます。

数枚撮影して、画像を確認しました。

トビに似ますが、シルエットが異なります。

 

 

 

 

ゆっくりと斜面の上を旋回します。

途中、山や林に隠れましたが…

徐々に近付いてきます。

初見ですが、イヌワシだと確信しました。

 

 

 

 

褐色の羽には白色が混ざります。

正面からも撮影できました。

顔はハッキリと確認できませんが…

姿を見れただけ幸運でした。

 

 

 

 

イヌワシの眼下には鹿がいました。

斜面に数頭が群れています。

獲物を探していたのでしょうか?

小さい子鹿ならば、攫えそうです。

 

 

 

 

イヌワシは北側に飛び去りました。

別れ際、最接近してくれます。

それでもトリミングは必要でしたが…

白い背景に、真っ黒な下面となりました。

帰宅後、PCで明るさを調整します。

 

 

 

 

5合目では鹿の群れに出会いました。

しばらく群れの観察を楽しんでいると…

 

「ねえ、また飛んでない?」

 

再び、妻が空を指差します。

今度は2羽の猛禽が飛んでいました。

喜び勇んで、カメラを向けます。

イヌワシかと思いましたが、違いました。

幅広い翼と、縞模様の下面を確認します。

クマタカでした。

 

 



もう1羽の細部は確認できません。

クマタカのペアだったかも、と想像します。

伊吹山での猛禽達との遭遇でした。



山に到着するまで存在を忘れていましたが…

以前からイヌワシを見たいと思っていました。

妻がいなければ、見逃したかもしれません。

良い機会を作ってもらいました。




🦌  🌳  🦌  🌳  🦌

 

 

 

~おまけ~

 

 

 

後日、伊吹山について調べました。

 

クマタカはキジやウサギなどを餌とします。

ニホンジカの子供(小鹿)も狩りの対象でした。

しかし、狩りには開けた環境が必要です。

伊吹山の一部は広く開けており、好条件でした。

土砂崩れなどで樹々がない場所も多いです。

 

それには、鹿も関係しているようでした。

ニホンジカの食害で草木が少なくなると…

大雨などで土砂が崩壊しやすくなります。

土砂崩れ跡がイヌワシの狩り場になりました。

 

温暖化も影響してるようです。

鹿が越冬可能となり、数が増えたのだとか。

 

 

観光や観察を楽しんだ場所でしたが…

色々と複雑な状況が絡んでいたようです。

 

そんな情報の下に、2つの画像を見返すと…

また違った印象を受けました。



白い岩肌は、土砂崩れの跡かも。



鹿にもイヌワシにも餌場です。