海上のモグラ叩き(カマイルカ) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

3月31日の事です。

市内で海岸散策をしました。

シギチを探して、複数の海岸を歩きます。

 

 

 

小さな漁港での出来事でした。

漂着物の中にイソヒヨドリ♂を見つけます。 

美しい囀りを奏でていました。

 

 

 

「イソ」とありますが、磯だけに留まりません。

先日は岐阜県北部の市街地で見かけました。

最初は目を疑いましたが、囀りで確信します。

ビルの隙間で営巣していました。

 

海辺だけでなく、最近は内陸にも進出します。

改名を検討して頂いたほうが良いかも。

 

 

 

イソヒヨドリはヒタキの仲間です。

因みに、英名はBlue Rock Trush。

Trushとはツグミを指す単語らしいです。

昔はヒタキもツグミも同じとされていたとか。

英名も改名して頂いたほうが良いかも。。

 

 

 

漁港での探鳥を終え、車を発進させた時です。

私に手を振る老人を見つけました。

不思議に思い、車を停め直して話を伺います。

「そこにイルカがいる」

 

 

 

老人の指差す海面に、動く物を見つけます。

イルカの背ビレでした。

ほんの一瞬しか姿を見せてくれません。

それでも、確かにイルカが泳いでいました。

数は1頭だけのようでした。

 

 

 

防波堤の内側を回遊しています。

砂浜からは30mも無いくらいでした。

「こんなに近くで見るのは初めてだ」

先程の老人が珍しいと呟きます。

 

 

 

 

教えて頂いた事にお礼を述べました。

老人は手を挙げて歩き去ります。

暫くすると、近所の方々が集まってきました。

おそらく、老人が皆に知らせたのでしょう。

 

 

 

市内では、春にイルカを見る機会があります。

昔、観光の目玉にしようと企画されましたが…

継続はしなかったようです。

遭遇頻度や希望者数が課題だったのでしょう。

 

私は、今までに2度だけ見た事がありました。

どちらも遠方に小さく確認できる程度です。

ただ、今回ほどに近いのは初めての事でした。

 

 

 

おおよそ15〜30秒に一度、浮上します。

頭を出すのは1秒にも満たない時間でした。

タイミング良いと、小さい噴気口が写せます。

 

 

 

 

時には、浜辺まで5mの距離に近づきます。

浜辺のすぐ先の水深は深いようでした。

海水浴場には向いていません。

小さな漁港の理由がわかりました。

 

 

 

 

背ビレや身体の特徴から種類を特定します。

どうやら、カマイルカのようでした。

背ビレが鎌の形をしているのが特徴です。

ヒレの形が丸っぽいため、子供かもしれません。

 

 

 

 

同じような画像ばかりになってしまいました。

狭いエリアですが、神出鬼没です。

息継ぎの間隔を計算してカメラを向けますが…

さながら、海上のモグラ叩きの気分でした。

 

 

普段は群れで過ごすイルカのはずです。

仲間とはぐれてしまったのでしょう。

無事、合流できる事を祈りました。