3月、シンガポールを旅行しました。
探鳥記は、今回を含めて後2回になります。
宜しければ、お付き合い下さい。
植物園には様々な野鳥と出会いました。
事前に購入した図鑑が役に立ちます。
(参考図書∶Birds of singapore 第3版)
しかし、図鑑に載っていない種もありました。
ドバト、コクチョウ、コブハクチョウです。
いずれも外来種だからでしょう。
そして、もう1種いました。
日本でも見る事が出来る種です。
ホンセイインコでした。
(Rose-necked Parakeet)
何となく、この国にも居そうですが…
出身地はインドやスリランカだとか。
因みに、同じ仲間にダルマインコがいます。
ダルマインコはこの国で見る事が出来ました。
日本からすると、どちらも海外ですね。
「ピー、ピー、ピー、ピーピピピピッ」
木立の中から、綺麗な囀りが聴こえます。
探鳥初日にも耳にした事がある音色でした。
ヒメカッコウ♂です。
(Plaintive Cuckoo)
日本で耳にするカッコウの声とは異なります。
トーンが少し高く、儚さがありました。
個人的には、ウグイスに似ていると感じます。
「Plaintive」とは「悲しげに聞こえる事」です。
そう思うと、そんな囀りに聞こえました。
鮮やかな花の咲く花壇にやって来ました。
数々のタイヨウチョウを見つけた場所です。
さっそく、近くの花が揺れ動きました。
期待して視線を向けると、大きな鳥が。
カノコバトでした。
(Spotted Dove)
ドバト程の大きさ(30㎝)があります。
器用に茎に留まり、花を啄んでいました。
蜜を舐めていたのかもしれません。
キゴシタイヨウチョウ♀もやって来ます。
(Crimson Sunbird)
ヘリコニアに止まりました。
長い舌で、花弁の隙間から蜜を舐めとります。
♂程の鮮やかさはありませんが…
淡い黄緑色が、落ち着いた美しさです。
何となく、日本のメジロを連想しました。
花壇でキゴシタイヨウチョウ♂を待ちます。
しかし、待てども待てども、現れません。
しばらく粘りましたが、やはり現れません。
この日は、この場所で縁が無かったようです。
別の場所を散策していた時の事でした。
暗い林の中で、2輪だけ咲く花があります。
そこに赤い小鳥が飛び込んできました。
あのキゴシタイヨウチョウ♂です。
あまり良い撮影条件ではありません。
ただ、長く留まってくれました。
焦る気持ちを抑えて、設定を調整します。
SSを遅くしたので、手振れに苦慮しました。
1枚だけ、納得のいく写真が撮れます。
この直後、飛び去ってしまいました。
暗い背景に、浮かび上がるような真紅…
個人的には会心の出来でした。
再び植物園に来た甲斐がありました。
~旅行の小話⑮~
シンガポール旅行の、最終日の事です。
夜の便に搭乗するため、チャンギ国際空港へ。
買物と食事を、隣接する建物で済ませました。
ジュエル(Jewel)という、観光名所です。
マーケットもあるため、便利でした。
土産物を買える他、観るだけでも楽しいです。
食事は地下のフードコートを利用しました。
何となく麺料理が食べたくなります。
私はクイッテアオというタイ料理を選びました。
魚のすり身と牛肉が入っています。
辛味ソースを、お好みで加えました。
ラーメンの如く食べ始めると…
同席していた家族に注意されました。
「海外では麺類を啜っちゃダメだよ」
…聞いた事があります。
パスタは啜っては駄目。
蕎麦は啜っても良い。
日本と海外での食事マナーの違いでした。
啜り食べる音は、周囲に不快感を与えます。
ヌードルハラスメントと呼ぶらしいです。
音を立てずに食べる事になりました。
レンゲに麺を移してから口に運びます。
なかなか難しくて、苦労しました。
ですが、「郷に入れば郷に従う」です。
いつもの倍以上、食事に時間がかかりました。
デザートも注文します。
現金を消費する目的も兼ねていました。
チェンドルという冷たいデザートです。
こちらは、シンガポールのローカルデザート。
一見して、小豆のかかったカキ氷でした。
緑色の物体が気になります。
タコノキの葉で着色したゼリーでした。
ゼリーや小豆に甘味はありません。
甘いパームシロップが、かかっていました。
蒸し暑い国なので、冷たい物が合います。
食事の後はジュエルを散策しました。
因みに、帰国の便も遅延してしまいました。
初日の出国の便に続いてでしたが…
こればかりは仕方がありません。
生きて帰って来れたから、万事良しです。
日本に帰国したのは翌朝でした。
1週間にも満たない旅行です。
日本料理が特に恋しいわけではありません。
ただ、お昼に選んだのはラーメンでした。
ここは日本です。
心ゆくまで、麺を啜って食べました。