どちらから、お出ででしょうか?(コウノトリ) | その日ばかりの野鳥観察

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山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

1月10日、ハクガンを目当てに訪れた朝日池での事です。

到着した池には、残念ながらハクガンはいませんでした。

しびれを切らして、周囲への田圃にハクガンを探しに行きます。

この時間帯は、採餌のために出かけているはずです。

 

 

途中、杭の上にとまるノスリを見つけました。

顔の模様から、先月も同じ場所で見つけた個体だと思います。

 

 

 

肝心のハクガンは比較的簡単に見つかりました。

農地で、不自然に停まっている車群が目印です。

先程、池の畔で連絡を取り合っていた方の話を横耳で聞いたので、利用させてもらいました。

 

群れの周囲の農道は狭く、そこに駐車してしまうと地元の方の邪魔になってしまいます。

皆さん、空き地や大きな道路の路肩に停めていました。

200m以上の距離をとっての観察です。

ハクガンはとても小さくしか映りませんが、30羽以上はいました。

 

 

 

 

数名のカメラマンがハクガンの群れを追跡しているようです。

もちろん、追跡といっても追い回しているわけではありません。

農作業の方やキツネ(!)などに驚いて逃げるのを、追っているとの事でした。

傍にいた方が気さくに話しかけて下さり、教えてくれました。

 

 

安全だと認識してなのか、ハクガンの他にもマガンやヒシクイなどが次々と飛来します。

とはいえ、かなりの距離ですし、もう少し変化が欲しいところです。

しばらく観察を続けていましたが、私も空腹を覚えたので、近所の食堂に採餌に出かけます。

 

 

再び朝日池に戻り、周囲を状況を確認しながら観察を再開します。

と、遠くの空に1羽だけ見慣れない姿を見かけました。

 

 

 

コウノトリです。

昨年11月も同じ場所で見かけました。

いつも、出会いはアッという間です。

3回目の出会いですが、観察時間は1分もありませんでした。

 

 

 

興奮しながら、必死にシャッターを押します。

良い天気であったため、遠くてもしっかりと写ってくれました。

足環が気になるので確認してみようとしましたが、足環が……ない?

 

 

日本では、兵庫県富岡市にて保護活動を行なっており、コウノトリには足環がはめられています。

飼育下だけではなく、野外で巣立ちした個体にも足環はついているとの事です。

この個体は、どういった経緯で朝日池へ来たのでしょうか。

 

① 兵庫県外で繁殖した

② 兵庫県内で繁殖したけれど、何らかの理由で足環をつけれなかった

③ 国外から飛来した

 

野鳥図鑑によると、稀な冬鳥として大陸から飛来する事もあるそうです。

1分にも満たないコウノトリとの出会いでしたが、様々な事を考える事が出来ました。

 

去り行くコウノトリに、尋ねたくなります。

「どちらから、お出ででしょうか?」