ご存じ─、
過去、世間で数回に渡りブームを繰り返してきた、
AI ( 人工知能 ) が、ここに来て再び、注目を集めている。
かつて─、
IBM のスーパーコンピュータ『 ディープブルー 』が、
当時のチェスの世界チャンピオン、
ガルリ・カスパロフを破り、世界を驚かせたのは、
もはや 20 年近く前 ( 1997 年 5 月 ) のことになるが、
その後─、
打てる手数の多さから、コンピュータチェスで成功した、
手法では無理だと言われて来た、
コンピュータ将棋や、コンピュータ囲碁においても、
CPU の速度の向上と、AI ( 人工知能 ) 技術のブレークスルーにより、
今日─、
トッププロを脅かすまでに、進歩している。
ちなみに─、
私も、学生時代の一時期、
ゲームの思考プログラムに熱中したことがあった。
しかし─、
当時の私のプログラミングスキルのレベルでは、
将棋や囲碁の思考プログラムは、少々、
ハードルが高かったため、オセロにとどまった。
そんな、私の学生時代というのは、まさに前回の、
AI ( 人工知能 ) ブームと重なる時期で、
私も御多分にもれず─、
修論のテーマに、ニューラルネットを選択した。
( ディープラーニングは、当時はまだ存在していない。)
厳密には─、
ニューラルネットと遺伝的アルゴリズムとを、
組み合わせたものだったのだが、
( ここだけを聞くと何やら大袈裟な研究のようにも聞こえるが… )
大学などという場で求められる研究というのは、
実用性よりも新規性が重要であり、
そういう点では、いたって、
基礎的な内容にとどまったことは否めない。
しかし─、
この、大学で過ごした6年間というのは、
私のこれまでの人生の中でも、
最も有意義な期間の一つであり、その後の、
私のソフトエンジニアとしてのキャリアを築く上でも、
最も重要な基礎固めをした時期だったと言える。
とは言うものの─、
その後、ソフトウェア会社に入社し、
エンジニアとしての実業務に取り組む中で、
正直、大学時代に取り組んだ、AI ( 人工知能 ) の研究が、
役に立った記憶は、あまりないのである。
( 次回へつづく... )
『 私が会社で学んだ、社内で煙たがられる研究テーマ 』