前回の記事は、こちら─、
『 人間 vs コンピュータ(4) ~ 飛行機は羽ばたかずとも飛ぶ 』
5人の現役プロ棋士と、
5つの最強コンピュータ将棋ソフトにる、
異色の五番勝負 ─『 将棋 電王戦 』
前回の第2回の最終局は、2013 年 4 月 20 日に行われ、
結果は、コンピュータの3勝1敗1分。
やはり─、
当時、これは衝撃的な結果だった。
もっとも─、
最終局で使用された『 GPS 将棋 』というソフトは、
今回の対局に当たり、
コンピュータ、約 670 台を接続した、
特別仕様で臨んだとのことで、
一般ユーザが、同様のソフトと、
自宅のパソコンで対戦できる、
というものではなさそうだが、
それでも─、
プロレベルに匹敵する将棋ソフトを、
誰もが入手できる時代ともなれば、
そういったソフトを相手に、
研鑚を積むことにより、
今後、必ずしも─、
プロ棋士に弟子入りし、
修行を積まなくても、
プロに匹敵するアマチュアの愛好者が、
続出するようになるかも知れない。
かつて─、
IBM のコンピュータ『 ディープブルー 』が、
当時のチェスの世界チャンピョン、
カスパロフを破ったのは、
1997 年 ( もう 17 年も前!) のことだが─、
その後、世間では、次のような主張を、
しばしば、耳にする。
たとえ─、
コンピュータが、人間の世界チャンピオンを、
破ったとしても、
それで、人間対人間のチェスの勝負が、
意味をなさなくなるわけでも、
魅力がなくなってしまうわけでもない。
人間よりも早く走る機械は、
とっくに出現しているが、
だからと言って─、
陸上競技に、もはや、
意味がなくなってしまったわけではないように。
将棋においても、
同様の主張は当てはまるのだろう。
しかし─、
車が人間よりも速く走るからと言って、
何とも思わないが、
頭脳の勝負において、
コンピュータが、
人間の能力を上回るというのは、
やはり、気味の悪さは否めない。
( 次回へつづく... )
『 人間 vs コンピュータ(6) ~ 欧米におけるチェスと日本における将棋との温度差が半端ない!』