外事警察 | One of 泡沫書評ブログ
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おそらく麻生ファンは重度のミリオタ、それも「危機管理」「クライシス・マネジメント」とか「エスピオナージ」とか、そういうワードに反応するちょっと危ない人が多いのではないか。きっとかれらは佐々淳行氏の著作にも目を通し、もしかしたら毎日の帰宅路をこまめにかえたり、携帯電話で重要な話をしないようにしたり、盗聴に気を配ったりしているのかもしれない。
正直言って麻生氏の本は一般受けするような内容ではないと思う。出世作となった『宣戦布告』などは、映画化されたにもかかわらず、認知度はかなり低いのではないか。だが本作はもともと映像化を前提(?)とした作品のようで、むしろそちらから火がついた作品のようだ。 はっきり言って、こういう作風が話題になるのは世も末だろうという気がする。
一般に想像される麻生氏のファンはいかにも次のようなことを言いそうなひとたちだ。
「平和ボケした日本には本当の危機管理体制がない、いつテロルが起きてもおかしくない。それにスパイ天国だ。この腐った日本の危機管理体制は、一度”ショック療法”でもないと目が覚めないのだ!」
まあ一面では事実ではあるが、だからと言って一足飛びに日本の国防を憂うのはちょっと待っていただきたい。その前にまず自分の仕事をしよう。国のことは、国の機関の人がきちんと考えてくれているよ。というか、これが小説ということを忘れちゃいかんよw

