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子供のころ、リチャード・プレストンの『ホット・ゾーン』を読んだ。アフリカ、キンシャサの洞窟で発見されたというこの未知のウィルスは、感染した宿主を「全身の穴という穴から血を吹き出して死に至らしめた」という。この恐ろしい殺人ウィルスは「エボラ」と名づけられた。もう、このさわりだけでもあの恐怖と興奮が蘇ってくる。わたしはこの本を何度も何度も読み返した。
キンシャサの洞窟。シャルル・モネ。マールブルグ病。エボラ・スーダンにエボラ・ザイール。そしてアメリカにも飛び火したエボラ・レストン。これらの殺人ウィルスとたたかうCDCとユーサムリッド。こうした言葉のひとつひとつを今でも克明に覚えている。「危険レベルはHIVよりあぶない”レベル4”」「全身から血を吹き出して死ぬ」などの表現が、まだ中二病丸出しのわたしに大きな影響を及ぼしたのは言うまでもない。あの独特のデザインをした「バイオハザードマーク」などもはっきりと覚えている。
残念ながら、『ホット・ゾーン』は諸事情により映画化はされなかったようで、結局、『アウトブレイク』という名前で(別物として)映画化されることになった(これは正直残念な作品であった)。しかし、のちにプレイステーションで『バイオハザード』という素晴らしいゲームに出会うことができたのは、バイオハザードマニアとして慶賀の至りである。この世界的なゲーム作品のおかげで、「(微)生物災害」という意味の言葉も大きく人口に膾炙した感がある。今やハリウッドの映画などでもバイオハザードをモチーフにした作品はよくあるパターンになっており、アメリカ疾病管理センタ(Centers for Disease Control and Prevention;CDC)やアメリカ陸軍感染症医学研究所(U.S. Army Medical Research Institute of Infectious Disease;USAMRIID)といえば、サブカル好きでなくとも知っているほどの存在になっている。バイオハザード好きとしてはよろこばしい限りである(?)。
さて、恒例のつまらない前フリはこれまでにしよう。本書はウィルスだけでなく、細菌、真菌(カビ)、そして原生虫といった「病原微生物」をビジュアルに解説した図鑑である。本書を読めばこれらの4つの微生物が微妙に異なる”いきもの”であることがわかるであろう。(ウィルスが生物なのか?というのは実に深遠な問いであるが…) 冒頭に述べたエボラももちろん登場しているし、みんな気になるHIVも、冬場になると怖くなるノロウィルス、インフルエンザウィルスも載っている。ウィルス以外からは黄色ブドウ球菌、炭疽菌、ボツリヌス、結核、コレラ、マイコプラズマ、ヘリコバクター・ピロリと、誰もが気になるウィルスが写真で見れるという、実に「誰得」な本と言えよう。見ているだけで背筋が凍る、だったら見なければいいじゃないという本である。本書を買うと食事の前には手を洗おうという気になること請け合いである。
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