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この本は成毛さんの書評を読んで即購入したもの。むかつくくらい成毛さんの書評は購買行動につながる。これまで彼の書評で何度本屋に駆け込んだことか。(リアル書店で買うのは、別に成毛さんにアフィリエイト収入が入らないようにあてつけているわけではなく、単に帰り道に本屋で買って帰った方が、アマゾンで注文するよりも早く読めるからに他ならない)
ところでわたしには素直に本を買って読めない”物書き”が二人ほどいる。一人が日垣隆。もう一人がこの森博嗣だ。もう少し若いころは理由がわからなかったのだが、要するに嫉妬していることに最近気がついた。有能なジャーナリストとベストセラ作家を捕まえて嫉妬も何もないものだが、わたしにだって少しくらい思うところはあるのだ。くだらないので嫉妬の理由はくわしく書かないが、そんな感じでこの本も嫉妬心からなかなか手が出せずにいたのである。買って読んだら、案の定嫉妬心がめらめらと・・・。
たぶん小説家志望者が読んだら卒倒するだろう。それくらい身も蓋もないことが書いてある。たいてい、良い本というのは本質的すぎて読者には苦いことが多いものだ。成毛さんの書評に的確なたとえ話が引き合いに出されているので、引用させてもらおう。
15年ほど前のこと、ビル・ゲイツが日本経済新聞社主催の「起業家セミナー」で講演したことがある。参加者は2000人ほどであった。もう1人の講演者であるリチャード・ブランソンと控室で談笑中、2人の意見が完全に一致して爆笑していた。「こんな講演を聞いていて立派な起業家になれるわけなどない。成功したければ、呑気に講演なんか聞かないで、ともかく仕事するべきだよね」と。 |
この本にも同じようなことが書いてある。だからよほどのマゾでもない限り、小説家志望者は読んではいけない。われわれの落とした金で財をなした成功者に追い銭を払う必要はないだろう(笑)。しかもその中身は、小説家になりたくてもがいている「無能な人」たちをどん底に突き落とすような現実ばかりが書いてあるような本なのだ。もしどうしても読みたいのであれば、ささやかな反抗として、立ち読みをして留飲を下げるべきだろう。まあわたしは買ってしまったわけが、わたしは小説家志望ではないので、別にいいのである。べ、別に強がりで言ってるんじゃないんだからねっ!
すベてがFになる (講談社文庫)/森 博嗣

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