
¥1,554
Amazon.co.jp
「WEB+DB PRESS Plus」ブランドの本は、他にもいい本がたくさんあるが、内容が難しいのであまり理解できない(笑)ことが多い。たとえば「[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ~スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省力運用」なんかも買って読んだが、正直ここまで深いレベルでサーバメンテナンスをやったことはないので、わたしにはただの遠い世界の読みモノにすぎなかったw サービス的には色々言われているはてなだが、技術的には確かなものを持っているすごい会社だ。
で、一方でこの本はどちらかというと初心者向けと思われる内容。誤解を恐れず言えば、かなり内容が薄く(本も薄いが)、広く浅くカバーするといったところ。専門的、技術的なノウハウというよりは、「気持ちの問題」に重点を置いているので、すでにある程度実績のある現場マネージャが、日々の仕事にマンネリ化を感じモチベーションが下がっているような状況で読むのがしっくりくる気がする。見積もりや設計のハウツーとしてはいささか不十分だが、そもそも基本的なことすらできていないのが日本の現状らしいので、そういう意味でも入門書として使えそうだ。ただし、「極意」は言いすぎだろう。「受託開発に疲れたひとへ」くらいのほうがいいかもしれない。
著者はプロジェクトファシリテーションに興味があるようで、たぶん本当に言いたかったことは第二部の「人と組織を変えること」というテーマなのだろう。「何かを変えたいと願うのならば、まずあなたからはじめるしかないのです。(p20)」って、草薙素子も言ってたような。ちょっと違うかw
ところで、いちばん凄いと思ったのは、著者が日本の受託開発業務に従事する現役の会社員であり、そのうえで、実名で本業そのものずばりの本を書いていることだろう。ブログも運営している。著書にもある通り日本の情報サービス業の半分くらいが受託開発(受注ソフトウェア業)だそうだが、こうした受託開発に真正面から向き合って書いた本はあまりないような気がする。本を書くような環境にないからだろうか。
本書にならって、経済産業省の統計からグラフを起こしてみた。たしかに受託開発ソフトウェア業の割合が非常に多い。これは日本のIT系産業の特徴だろう。

[24時間365日] サーバ/インフラを支える技術 ‾スケーラビリティ、ハイパフォーマンス、省.../安井 真伸

¥2,919
Amazon.co.jp