レスラー | One of 泡沫書評ブログ

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ミッキー・ロークといえば「猫パンチ」。しかし、実際にその猫パンチを観たことはない。かれは、わたしよりもう少し上の世代によく知られたヒーローだろう。その証拠に、わたしはかれがプロボクサーだったという事実を今日初めて知った(わたしが鈍いだけ?)。

これはかつて一世を風靡したプロレスラーが、衰えた肉体を薬と酒でごまかしながら興行を続けるというドラマ。かれは長年のステロイド接種がたたって心臓発作で倒れ、選手生命を断たれてしまう。興行を続けることができなくなったかれは引退を決意し、絶縁していた娘と仲直りしかけるも、寸前のところでうまくいかず、またショウバーで出会ったコールガールとの恋もあと一歩のところですれ違ってしまう。そんな中、結局自分の居場所がリングにしかないと気付いたかれは、心臓の痛みを隠して、再びリングへと向かうのだった。

…絶望的にあらすじを書くのが下手くそで申し訳ないが、まあだいたいこんなストーリである。じつに渋い。そして暗い。暗すぎる。わたしはこれを連れ合いと一緒に観たのだが、観終わった後二人で顔を見合わせてしまった。「・・・」という感じである。これはなかなかしんどい作品であった。いい映画なのだが・・・。