使える経済書100冊 『資本論』から『ブラック・スワン』まで | One of 泡沫書評ブログ

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使える経済書100冊 (『資本論』から『ブラック・スワン』まで) (生活人新書)/池田 信夫

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前回の更新からずいぶんと間があいてしまった。近頃スマートフォンを手に入れたこともあり、のべつtwitterのTLをフォローしたり、RSS Readerをチェックしたりできるようになったため、PCを使用する頻度が大きく低下したことも理由の一つであるが、大きな理由は長時間労働で体調を崩してしまったことだ。

最近、twitter界隈では「長時間労働派」対「バランス派」の神学論争がおもしろい。城氏や池田先生のブログ、あるいは海外ニート氏やelm200氏のような方に「啓蒙」された身としては、この手の論争はすでに決着がついており、今更議論する必要もないと思うわけだが、やはりまだまだ日本においては長時間労働イデオロギーはメインストリームなのだろう。「とにかく長時間働かないとダメだ」というエトスは、もはや労働を超えて教義にすら感じられる。何がかれらをそこまでかたくなにさせるのだろうか?

かくいうわたしもリアル社会ではGWからいきなり徹夜、休日出勤という「それなんて罰ゲーム?」状態だったわけだが、そんなことをしていたら過労で体の調子がおかしくなってしまった。もちろん、わたしは本心では、いうまでもなく毎日早く帰りたいと切望しているし、できれば在宅で仕事したいとすら思っているくらいなのだが、リアル社会ではなかなか思うようにいかない。毎日どうやったら合理化できるだろうか、生産性が上がるだろうか、正確に仕事が終わらせられるだろうかと考えていても、どんなに頑張ってたところで、どうしても残業せざるを得ない日がある。あまつさえ徹夜せざるを得ないときもある。こうしたリアル社会と、twitterやblogで見聞きする世界とのギャップに苦しんだりする今日この頃である。まさにクソ仕事め!と心の中で呪詛を吐きながらw (まあ、別に命令されて残業を強制されているわけじゃないから、これは長期的に見れば自分のせいなのだが)


さてそんな感じで数日過労が続いたためダウンしていたわけだが、休みを取って一日寝ていたところ少しだけ元気を取り戻した。そんな病み上がりの体で職場近くのくまざわ書店に立ち寄ったところ、新刊コーナに池田先生の顔が並んでいたので笑ってしまった。そう、冒頭のサムネイルを見ていただくと判るとおり、池田先生の今度の本はオビにノビーの写真がデーンと貼られているのですw

・・・ということで、にわかに思い出したので簡単にご紹介してみる。長い前振りだったが、今回の本は「使える経済書100冊 『資本論』から『ブラック・スワン』まで」だ。

池田先生の本はたいていblogの焼き直しなので、blogやアゴラの熱心な読者ははっきり言って買うだけ無駄だというかもしれない。しかし池田先生の場合、必ずしもそう言い切れないところが面白いところだ。というのも、blogやアゴラでの文章はあまりにも端的すぎて、毎日読んでいてもその「つながり」が今一つ理解しきれなかったりするが、本にまとめられると、わたしのような「馬鹿」にもそれなりに理解が及ぶように編集されるからだ。また今回の書評本も、blog等で取り上げた書評ではなく、週刊ダイヤモンドの書評がベースになっているため、(ちゃんと数えたわけではないが)じつはblog等で取り上げられた本はあまり多くない。そういう意味でも、買って損はない部類の本だろう。

ちなみに本書で紹介されている100冊は、その一覧がアゴラで電子化されているほか、序文がブログで紹介されている。こちらも合わせて参照すると便利だろう。


・・・たしかに、ここにある100冊をちゃんと読んで理解できたら、下手なビジネススクールに通うよりよほど体系化された知識が得られるような気がするw これを、普通の社会人が読み切ることは可能なのだろうか。読み切った時点で、すでにサラリーマンじゃない気もするがw