- りびんぐゲーム 1 (ビッグコミックス)/星里 もちる
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君は星里もちるを知っているだろうか。軽妙なタッチで日常を描く・・・というと今なら「らき☆すた」のようなイメージになってしまうかもしれない。日常を描きながら登場人物の心象描写を巧みに織り交ぜながら成長を描く・・・というと「よつばと」の評みたいになってしまう。適切なたとえが思いつかないのだが、「いかにもビッグコミック的」というたとえが思いついた。そうだ、この漫画は「ビッグコミック的」である。
そういうとなんのことだかさっぱりだろうからw、一応解説らしきものを書いてみると、この本は「居場所」という概念を基軸に人の営みを描く作品だ。形而下の概念では居場所というのは住居そのものであるが、この登場人物たちは形而上的な意味での「自分の居場所」を探している(ように思える)。その一つのギミックとして、バブル崩壊後の東京の高い家賃が使われているわけだが、それはあまり本質的ではないだろう。現実問題として住むところが必要なのだという意味での住居が手に入れにくいという中にあって、その居場所を確保するだけでは本当の居場所ということにならないということで・・・まあ、要するにラブコメである。
ちなみにわたしは何を隠そう「島根県」の産で、ヒロインのいずみちゃんが島根県の出身だと知って非常に驚いた(だからこそこの本を今でも大切に持っているのかもしれない)。当時中学生だったわたしは相当な衝撃を受けて、いずみちゃんに自分を重ね合わせたりしていたものだ。当時も今も島根県というと「どこにあるかイメージがわかない」という土地なのだろう。作者も解説でそんなことを言っていたw
なお実際には、わたしよりずみちゃんのほうが少し年上なのだが、作中は雷蔵の主観で描かれるから、いずみちゃんが年上だと思うと少し座りが悪いw 逆算するといずみちゃんは1975年生まれだから、今年で35歳になる計算だ。雷蔵は45歳くらいか。もはや中年である。時の流れは恐ろしい。