失われた20年の後は、停滞の10年だってさ | One of 泡沫書評ブログ

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世の中にいったいいくつの書評ブログがあるのでしょうか。
すでに多くの方が書いているにもかかわらず、なぜ書評を続けるのか。
それは、クダラナイ内容でも、自分の言葉で書くことに意味があると思うからです。

ふらりと立ち寄ったコンビニで2010.1.18号の「プレジデント 」誌があった。新年早々ビジネス誌なんか出てるのか・・・と思って、パラパラとめくってみると、「ワースト経営者」というところにホリエモン がダントツでノミネートされていた。「なんだこれ?」と釣られたので、ちょっと読み進めてみると、平均年齢46.9歳、男94.3%・・・どうやら典型的な「ミドル層w」3000人からアンケートを取ってみた結果だそうだ。プレジデントは社畜御用雑誌というイメージしかなかったが、どういう層が読んで、どういう意見を吐いているのかと気になったので買ってみた。(一緒に「ヤングアニマル嵐」も買ったw)


面白いのでアンケート結果を転載してみよう。


------------------------------(以下引用)------------------------------

好きなビジネス書著者:


1位 大前研一 (217人)

2位 勝間和代 (79人)

3位 ピーター・ドラッカー (70人)

4位 稲森和夫 (67人)

5位 松下幸之助 (63人)


嫌いなビジネス書著者:


1位 勝間和代 (122人)

2位 大前研一 (65人)

3位 竹中平蔵 (30人)

4位 森永卓郎 (27人)

5位 長谷川慶太郎 (19人)


ベスト経営者:


1位 松下幸之助 (438人)

2位 柳井正 (241人)

3位 稲森和夫 (134人)

4位 本田宗一郎 (99人)

5位 永守重信 (83人)


ワースト経営者:


1位 堀江貴文 (142人)

2位 山崎正夫(JR西) (58人)

3位 御手洗冨士夫 (45人)

4位 西松遙(JAL) (41人)

5位 西川善文 (40人)


現在、支持している政党:


民主党 (46.2%)

自由民主党 (19.2%)

支持政党なし (26.2%)


2009年、最も印象に残った出来事:


政権交代 (38.1%)

新型インフルエンザ (22.5%)

オバマ新大統領就任 (19.9%)


日本の格差について:


格差が大きすぎる (41.3%)

今のままでよい (35.6%)

もっと競争を促進するべき (22.2%)

------------------------------(引用ここまで)------------------------------


テレビのワイドショウ(テレビをほとんど見ないので、今は違うのかもしれないが)とあまり変わらない、どうでもいい結果が出ていて非常に笑わせてもらったw


これがプレジデントという由緒正しいビジネス誌の、しかもそのアンケートにわざわざ答えるくらいのリテラシの高いビジネスパーソンたちの多数派意見かと思うと、池田先生の言うとおり、「衰退の10年 」というのはもうすでに確定したと言わざるを得ない。もうわたしなどができることは、せいぜい来るべき世代間闘争に向け、いかにして自己防衛するか、くらいしか思いつかない。


なんというか、わたしのような馬鹿にはうまく要約できないのだが、要するに城さんのいう「昭和的価値観 」を言葉を変えアプローチを変えて表現しているだけで、全然構造的な話に立ち入っていないのだ。で、最後は結局「精神論w」。既得権益をいかにして切り崩すかとか、労・労対立をいかにして解決するかとか、避けえない世代間闘争をいかにしてコントロールするかとか、そういう血が流れるような本質的な話題は、見事に一切出てこない。


この時期に、こうした話題に一切触れないで「働き方、生き方全予測」とか言っても誰も説得されないだろう・・・と思ったのだが、よーく考えてみると、要するにこれは既得権益層の機関紙なのだということを思い出した。自分のところの利害関係者の神経をわざわざ逆なでするような馬鹿な真似をするわけないじゃないか、と思ったら、なんだか非常に無駄な時間とお金をかけてしまったと後悔。