会社にお金を残さない! | One of 泡沫書評ブログ

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会社にお金を残さない! ~「ノルマなし!管理職なし!給料全公開!」の非常識な経営術~/平本 清
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エクセレント中小企業はアブナイ団体と紙一重?

日経BPで読んでいたコラムで名前を知っていたメガネ21(トゥーワン) 。何やら怪しげな雰囲気がする会社だと思っていたのだが、よくよく読んでみると、やっぱり、”エクセレントカンパニー”なのではないか、と思うようになった。

まあ、しかしこれは一歩間違えれば怪しげな宗教団体だろう。著者の平本さんはそのあたりをよくよくわかっているらしく、価値観が同じ人間で集まることが重要で、この価値観にそぐわない人はほかの仕事をするべきだ、と繰り返し念を押している。別に社員にやさしくなんかない、とも語っている。読むとわかるが、いわゆる一般によく見られるような企業からすると、ものすごく異端に映る経営を続けている。

もしかしたら、経営者というのは少しずれているくらいがちょうどいいのかもしれない。とくに、中小企業だとその傾向が顕著だという印象がある。武蔵野 の小山さんなども、一部では社畜ブラック企業と言われたりしているが、離職率は圧倒的に低く、この不況下にあっても業績は非常に堅調のようだ。平本さんも小山さんと似たようなことを言っている気がする。エクセレント中小企業の経営層はこんな人ばっかりなのだろうか?

サラリーマンは見習ってはいけないw

多くのサラリーマン企業は、こうした超パワフルでユニークな経営者もしくは経営陣はほとんどいないだろう。通常、ある程度成長した企業にはこうした異端派は敬遠され、調整型の人間がトップに選ばれるのではないか。よく、こうした保守的な性格を揶揄して”サラリーマン経営者”などと揶揄されることも多いが、そうしたトップがいる企業においては、この本に書いてあるようなことを真似すると組織が崩壊するかもしれない(そもそも真似できないと思うが)。


ビジネス書のコーナーに並ぶこの手の「経営指南本」は、だいたいこういうのが多い気がする。吉越浩一郎さんの本 などもそうだろう。ここまでエクセレントな経営が多くの日本の企業に浸透するというのは、ちょっと考えにくい。ということで、要するにこういう本は、将来起業して経営をやろうと思っているような人でもない限り、「遠い国のおとぎ話」として読むのが正しいのではないだろうか。これは、サラリーマンは見習ってはいけないかもw


「残業ゼロ」の仕事力/吉越 浩一郎
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