闇の子供たち | One of 泡沫書評ブログ

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それは、クダラナイ内容でも、自分の言葉で書くことに意味があると思うからです。

闇の子供たち (幻冬舎文庫)/梁 石日
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梁石日(ヤンソギル)の書いたノンフィクション・ノベル。


こちらは「血と骨」のような自伝的ノベルではなく、ドキュメンタリィのような形式の作品です。



今回取り扱うのはタイの幼児売買春。エグイ。実にエグイ。

こういう世界があるのは知っていたが、実際に描かれると引く。

ペドファイル(幼児愛好者)ってのはサブカル分野でよく使われるのを耳にするが、やっぱり現実問題として目の前に突きつけられると、表現としてどこまで許容されるのかはわたしも悩む。


後半、なんだかよくわからない状態で物語は唐突に終わる。


これはいわゆる「クォ・バディス」的表現というのか、「太平記」的というべきなのか、いよいよ問題が表面化し、どうにもならないところで終わっている。ハッピーエンドでも、バッドエンドでもない、物語は現在進行形ですすみ、そのまま結末を迎えているのだ。


結局、国内の問題は国内の人が解決するしかないという南部の指摘は間違っていないと思う。

しかし、それを傍観者の視点であり、そういう姿勢つまり結果としての無責任が、こうした問題を助長しているという恵子の指摘もまた首肯できる。

このあたりの矛盾も、問題が構造的である傍証でもあろう。根本的な原因は貧困にあると思うが、どちらが原因でどちらが結果なのかはわたしにはわからない。せいぜいペド的なものを扱わないくらいのことしかできないよ。ただ、児童ポルノ法はいかがなものかと思うが・・・