父に捧げるロックンロール(Remastered) Part3 | 魂の占い師 ネプテューンのブログ

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このお話は:

★父に捧げるロックンロール(Remastered) & 来週の予定

https://ameblo.jp/neptune1203/entry-12748910143.html

★父に捧げるロックンロール(Remastered) Part2
https://ameblo.jp/neptune1203/entry-12749630117.html

の続きです。

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[父に捧げるロックンロール(Remastered) Part3]

父はこの訴訟に人生を賭けていました。

勝てば弁護士としての名声と莫大な報酬を

手にすることができるのですから。

ところが、流れはイッキに逆回転を

始めました。

父は巨大な「何か」の尻尾を踏んでしまったのです。

まず、訴えた相手が悪かった。

その会社の創始者は元総理大臣の兄であり、

さらに、その会社は官僚や政治家の

天下りポストを用意するような…

いわば日本政府の裏庭のような

会社だったのです。

そして、当時のK総理(A元総理の祖父です)が

訪米した直後から急に流れが変わったことから

推測して「あの若い弁護士を黙らせよう」という

方針が日米政府の間で決まったのでしょう。

つまり、日本の政府のみならず、

米軍の内部にも「甘い汁を吸う

寄生虫がいたのです。

米軍内部の腐敗が表に出るのは

日米両政府にとって都合が悪い…

そういうことです。

そして、彼らは父を標的に攻撃を

仕掛けてきました。

明らかに米軍内に内通者がいたのです。

以下は、後に顧問弁護士から聞いた話です。

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米軍と言う巨大な組織には実際に

前線に立つ戦闘部隊のほかに

様々なセクションがあります。

そのひとつにPXがあります。

米軍人とその家族のために

食品から日用雑貨、電気製品など生活に

必要なもの全てを扱っている

巨大な「購買部」です。

父が訴訟の準備を進めていたある日、

日本の大手の新聞に「米軍将校、PX物資を横流し」

と言う見出しで「●●少佐以下数名の逮捕者が出た」

と言う記事が載ったのです。

当時、米軍から民間人への物資の横流しは

珍しくなかったようで、おそらく米軍もある程度

大目に見ていたのかも知れません。

ところが、ある日突然一斉摘発となったのです。

これは推測ですが、父はおそらくこの横流しルートから

自分の店の酒類や食品などを仕入れていた可能性が

あります。親しい米軍人から持ちかけられたのかも

知れません。

しかし、どんな事情があれ米軍内に逮捕者が出たら、

芋づる式にルートが見つかり、父が捜査の対象に

なるのは時間の問題でした。

逮捕されたら訴訟どころではありません。


ある朝、私は玄関に旅行用のバッグを持って

立っている父の姿を見ました。いつもより

ずっと小さく見えました。

「香港に行く…」それが最後の言葉でした。

昔の映画などに良く出てくる

「香港に高飛び」というヤツですね。
(※当時は香港はまだイギリス領でした)


イギリス領香港

実際は何が起きたのか、それは未だに謎です。

しかし、その事件以来、父は、もう日本には

入国できなくなってしまいました。

その後も母のところには、香港やテヘラン、

キューバなどから父からの手紙が届いていました。

無念な気持ちと家族への想いが綴られていたと

聞いています。

母は、父の店を引き継ぐべく必死で頑張りました。

しかし、兵隊相手の荒っぽい水商売は

お嬢様育ちの母の手に負えるものでは

ありませんでした。

最終的には銀座以外の店は全て売却し、

その銀座の店もその後、赤坂に引越し

再起を賭けたのです。

いつしか、父からの連絡は途絶え、

「もう父は帰って来ない」と私は諦め、

祖父母からも「事故で亡くなった」と聞かされて

育ちました。

私は、どこかで生きていると信じていましたが、

母や祖父母の気持ちを考えると「いない」と

考える方が楽だと思い、何も触れずに、

そのまま時が過ぎて行きました。

その後、父の消息を知ったのは、

マーシャル諸島で亡くなっていたという

情報でした。

 



しかし「プールで溺死」という死因も私は

素直に信じられません。

私は父が「100%正義感に燃えて」訴訟を

起こしたとは思っていません。

そこには名誉欲や金銭欲もあったと

思います。でも、心のどこかで

「正義は勝つと信じていたのでは?」

と、私は思っています。


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最後までお読みいただき

ありがとうございました。