昨日、某新聞で
「はきはき」という表現を目にしました ![]()
記事の内容は
とある公立小学校6年生が
某市議会の議場で ”模擬議会” に臨んだ
というもの ![]()
その中で、議員役の児童が
「はきはきとした声で質問し」たそうで
見出しにも「はきはき」という表現が
使われていました。
気になったことがが2点 ![]()
まず1点目のために
「はきはき」を辞書で調べてみました ![]()
『三省堂国語辞典 第八版』には
「ものの言い方・態度などが、活発で
はっきりしているようす」
とあります。
『広辞苑 駄六版』には
「①ものの言い方や態度が歯切れよく
明瞭であるさま。
②物事の分別がはっきりしているさま。
③物事がさっさとはかどるさま。」
とありました。
広辞苑にある②③は置いといて・・・
やはり、「はきはき」というのは
「言い方」や「態度」について言うことばで
「声」については言わないのではないか?
ネットでいくつか見てみると・・・
「コトバスタ」というサイトに
「主に人の態度や行動に対して使われます」と
ありました。
ま、三省堂には「など」とあったので
そこに「声」が含まれると言えなくもないし
コトバスタでも「主に」とあるので
声については使わないと断言はできませんね ![]()
ま、語感は概して主観的なものだから
正誤のモンダイではない ![]()
もう1点は
「はきはき」への称賛(?)に
モノ申したい ![]()
「はきはき」が
人前で話す時の ”あるべき姿” であるような
決めつけをしないで頂きたい ![]()
もちろん、記事を書かれた記者氏は
そこまでのおつもりではなく、その児童さんを
立派にお役を務めたね
と
褒めたかっただけでしょうが
この記事を目にしたかた
(特に同じ小学生の皆さん)が
「そっかー
はきはきしゃべらないと
イケナイんだなぁ」
なんて思う必要は、まー-ったく無い ![]()
ということを言いたいのです ![]()
確かに、ワタクシ…スピーチ講座なんてぇモノを
担当しております。
ただ、ワタクシの講座では
「スラスラ話す」とか「はきはき話す」とか
「アガラナイで話す」とか・・・
そういうことは目指さないのです。
一般によく言われる「上手」「巧い」を
目標としていません。
(これは、朗読も同じです)
人前で話すのを苦手とされる方々に、何とか
その苦手意識を軽くして頂きたい
少しでも自信を持って頂きたい
それが、ワタクシの一番の願いです![]()
以前、こんな本を買いました、というご報告で
こちら
を紹介しました ![]()
まさに、同感 ![]()
ただ、仕事を始め社会の色々な場面で、どうしても
言葉で話さなくてはならないことは多くあります。
そんなときにどうしたら良いか、
どうしたら少しでも自分が「楽に」話せるか、
そして、聴く人に「キチンと」伝わるか、
ということをお伝えし、実践を重ねることで
自信を持って頂けるように講座を進めています。
上手な話し方ではなく、”良い” 話し方を ![]()
上手な朗読ではなく、”良い” 朗読を ![]()
その思いを後押しして頂けるような文章に
出会いました ![]()
著者 幡野広志さんは写真家で、最近
初心者向けの写真のワークショップを
はじめられたとのこと。
ご自身を「中級者レベル」とおっしゃって
だから初心者にしか教えられない、と。
氏のレベルのことは、私には分かりませんが
p.200のこの部分
「上手くならなくていい」
「ヘタだけどいい写真を撮ろう」 には
とっても 力 を頂きました ![]()
![]()
「いい」とはどういうことか。
色々な解釈があるとは思いますが、私は
「感動が伝わること」だと思っています。
なにも、うわ~~っ
という大きな感動で
なくて良いのです ![]()
「感動」とは、「感」が「動」くこと ![]()
「感」とは、「五感」![]()
例えば、視覚で言えば
見たことがなくても見たかのような
あるいは、見たくなるような・・・
「話す」あるいは「読む」ことを通じて
つまり、「声」を通じて
聴く人の感覚(心)を動かすことができたら
感動が伝わったということ ![]()
その声は、決して「はきはき」だけが
求められているのではないことを
受講生の皆さまは実感されていることでしょう。
相手の心を動かすには、何より
自分の心が動いていることが大切 ![]()
これからも、私自身が
五感のアンテナをさび付かせることなく
ささやかな感動、つまりは幸せを
大切に生きて行きたいものです。
感謝とともに
![]()


