【父を探して】の感想。必見!黒さを秘めたブラジル生まれの極彩色!私には感想難産映画でした。 | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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感想を書きそびれてましたが、地元浜松市の映画館シネマイーラさんにて上映が始まったということで、今更書きました。

 

 

 

 

 

 

 

父を探して

を見てきました。(3月に)

 

 

 

 

 

 

 

 

このブログでもちょいちょい紹介してきたブラジル産のアニメ映画。

NEWDEERさんが頑張って日本配給を実現してくれた一作です。

 

 

 

 

 

 

 

 

見てきた感想をざっくり言わせてもらうと。

 

 

 

 

 

 

 

すっごく良い!!

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・けど

 

 

 

・・・という手放しで褒めっぱなしというわけにもいかない感じの一作でした。

すっごく良いなぁと思う部分がある一方、

「ここはどうだ?」という部分もある一作でした。

 

 

 

 

 

 

もう少し詳しい感想を書いていきますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

●このブログ記事が“難産だった”のです!

 

 

大前提として言うと、この映画、

すっごく大傑作!!

 

画としても、

話としても、

演出としても、

オチとしても、

言いたいことや考えさせられることが山のように溢れ出る映画でした。

その時点で私としては『見に行くべき』映画認定してます。

 

なので、結論として「是非見に行くべき映画だよ」っていうのは先に言っておきたいです。

 

 

 

 

で、なんでそんな前提的な言い方をするかといえば、“言いたいことや考えさせられることが山のように溢れ出る”って部分が私にとっては、ポジティブなものもネガティブなものもいろんな感情が溢れ出てきてしまって、マイナスに受け取られかねない感想も自分から漏れてきてしまったのです。

で、そことの折り合いをどうつけようか、感想ではどう表現しようかと、悩み続けてまして、実は何回も感想をあげようと挑んだけど、結局やめちゃうことが多々ある映画でございました。そんなこともあって、感想が遅れてしまったというのもあります。

 

 

ただ、そのまま感想を書かないわけにもいかないぐらい愛着もある映画だったので今回、意を決してブログを書きました。この後の感想は、苦言も出てきますが、最優先の前提としてもう一度言っておきます。

是非見に行って欲しい映画です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●少年と世界がみせてくれる冒険体験

 

主人公はこの棒人間みたいなシンプルなデザインの男の子。

この男の子が出稼ぎに出たお父さんを探しに行くというストーリー。

 

 

 

 

この「ストーリー」にもトリックがあったり、
さらにはその「見せ方」にもトリックがあるというのが驚くべきところ。

見た目こそチープに感じられかねないキャラクター造形ですが、このキャラクター造形だからこその演出がしっかり用意されていて、この造形が非常に有意味なものとなっております。

すっごーく綺麗な映像もあれば、えっ!?と思わせる意外な映像もあってすっごく良く出来てるのですよ。

 

 

 

 

 

都会はコラージュで切り貼りされたような世界観。はっきりとした人工物感。

 

 

 

 

原題が「少年と世界」という意味のものなのですが、「世界ってこんな風になっているんだ!」と鑑賞者も少年と一緒に体験できる映画となっております。その冒険を経て、どんな感想を持つのか・・・っていうのが意外と千差万別になるんじゃないかなぁと思ってます。

 

 

 

 

 

都会のあの山の造形って階級社会のピラミッドを連想させられました。この世界とはさらに別の世界もあるんだよね・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●ちょっと悩ましい部分の話

 

 

で、この映画を見た感想として「すごいなぁ」と思うことは上記のように沢山ある一方で、ここはどうなんだろう・・・と思う箇所がいくつかあったのも事実です。

 

 

 

 

 


全体的に抽象的なイメージの映画なのですが、終盤に非常に具体的なシーンが挟まれます。ずーっと抽象的な映像だったものから、制作側のメッセージを急にダイレクトにねじ込んでくるので、違和感と居心地の悪さ・・・さらにすごくその部分だけ矮小化されたような話のように感じられてしまうマイナス印象がありました。演出の試みとしては面白いのかもしれないのだけど、正直全体から悪い意味で浮いて見えました。

映画を見れば「あっここか!」とすぐ分かるので、是非まだ見てない人は心のどこかで、このブログの人そういえばこんなこと言ってたなーぐらいに思い出してくれたら、と思います。

 

この映画、抽象的とは言っても明確に“これは嫌なもの”としてはっきりと表現するものは表現しちゃってるんで、解釈を自由に委ねるような毛色の映画とも少し違います。

 

 

 

 

 

 

 

そしてもう一点。

終盤のとある人物の表情・・・それがすっごくバッドエンド感を出していて、映画全体がネガティブなメッセージにも感じました。しかもこの映画、輪廻とか転生とかループなどを連想させるアニメーションが頭とお尻に挟まれているので、このネガティブな物語は永遠に続いてしまうのだよ・・・という穿った印象を受けてしまいました。多分そういう狙いじゃないんだろうけど、そう見えちゃったからしょうがないよなぁ。

 

 

よく見ると、ポジティブなメッセージも込められているのは分かるのですが(わざわざそれを確かめに2回目を見に行ったぐらい)、やっぱり最後に希望よりも哀愁の方が強く感じられてしまったのがすごく寂しかったし、わたしはこんな“世界観”を見出して終わりたくないな・・・っていう自分の個人的な思想も強く感じてしまいました。

それぞれの人生観が浮き彫りになる・・・という意味では優れている作品なのかもとも思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セリフもないし(なんかてきとーな言葉喋ってるけど、あれは架空言語)、人によっては退屈に感じる人も一定数居るのは分かる映画ような映画なのですが、“人によって”の受け取り方の違いがまた非常に面白い映画だと思うので、是非一度は見ておいた方が良い映画だと思っております。

 

おすすめです!

まだ地方では上映してるのでお近くで上映の際は足を運んで欲しい映画です。

 

 

 

 

 

 

 

 

あと主題歌もすっごくオススメ

今のところ私の中では2016年ベスト主題歌候補です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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