愉しく倖せに歩く | Neimii~和装生地/古布の創作~

Neimii~和装生地/古布の創作~

箪笥に眠っている着物、出番のない大切な遺品など、古い稀少な正絹を、伝統和装の良さを活かすような洋装にと、製作しています。

こちらの着物と出逢った時、すぐにジャケットを想い描きました

しかも、わたくし用に(笑)

ゴブラン織りのような、ダマスク柄のような、異国情緒が漂う青と黒

いわゆる一目惚れです

手触りから…麻との絹交織のよう

…いつ頃の物でしょうか

70歳を越えた方のお母様の着物とのこと、単で仕立ててありました





こだわりはユニセックス仕立てで左上前

絶対ダブルブレストに…と生地の有効活用に四苦八苦いたしました

見返しに幅を取りますので、膝丈にしたいな…という長さは妥協


コブランは18世紀頃、フランスで制作されたタペストリーの綴れ織りが起源です

ダマスクはイスラム発祥、紋様を朱子織りにする柄行きを繰り返すデザイン

和洋折衷のような古布が、時を経て、また変遷です


もうひとつ、絵羽織からのオーダージャケットも仕上がりました

お母様の未使用だったという羽織を、お嬢様から届ける粋な贈り物です

お嫁入りの羽織にも、誂えには生家の紋が入っている時代です

見返しの裾に、母親の実家紋をあしらう娘の想い、心配りのギフト





次はドレス製作です

淡いグレイッシュパープルの色無地を、お客様の人柄を反映し、舞台映えするデザインにと、模索します

走ることはせず、愉しく倖せに、自分の歩幅で歩いています