私は生後すぐからアトピーと診断され、小学校へ上がるまでは皮膚科へかかり、ステロイド外用剤をずっと使っていました。
小学生になると、なんとなく自然に治まり、薬を塗らなくても過ごせるようになりました。
汗をかくと関節の内側がかゆくなり、かいて真っ赤になることもありましたが、一時的なものでした。
それが、今につながる本格的なアトピーとして発症したきっかけは、かなりはっきりしています。
それは中学3年生の夏、受験生のときてす。
私はそれまて塾へは通っていなかったのですが、受験生になった中3から、1年間だけ通ったのです。
その塾は夏期講習が厳しいので有名で、毎日、凄まじい量の宿題が出ました。
こなして寝るのが夜12時頃。
朝起きてすぐ塾、のような生活が続きました。
ある日の夜、就寝中に突然、猛烈に首がかゆくなり、かきむしって寝られなくなってしまいました。
見ると首が真っ赤になっており、その日は水に濡らしたタオルで冷やすなどして、なんとかしのぎました。
翌日か数日後、皮膚科へ行くとステロイド外用剤を処方されました。
それを首に塗ると、数日でガサガサになった首の皮膚が、ヘビの脱皮のように、つるりとむけ、下からスベスベの皮膚が現れました。
かゆみも止まり、私は塗り薬の劇的な効き目に非常に驚いたものです。
そこからは、薬を塗って治まり、また塗っての繰り返しです。
次第に炎症は首から全身に広がり、悪化しながら、それは25歳で脱ステするまで続きました。
なぜ中3の夏に一気に悪化したのか。
今思えば、そこがまさに、今に続く「大人の生活」のスタートだったのです。
つまり、運動不足(部活は夏前に引退)、大きな精神的ストレス、そして不十分な睡眠です。
だから、少なくとも自分にとってのアトピー治療の大きなヒントがここにあると感じています。
ただ、分かってはいても、改善はなかなか難しい。
特にストレスは、生きている事自体がストレスと言っていいこの世界で、どうすればいいのか。
また睡眠不足も、この仕事を選んでしまった以上、毎日十分に寝るのはかなり難しい。
でも、少しでも子どもの頃の健康な生活を思い出して、やるしかないなと思います。