検察庁での模擬取調べ | 今日も花曇り

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先週末の就業時間後、検察庁が修習生のために模擬取調べを企画して下さいました。修習生は20名弱もいるので、まさか全員で取調べをするのではなく、何人か代表でやってそれを皆で見学というスタイルなのかな、と高をくくっていました。しかしいってみると、なんと大量の事務官の方を被疑者役に動員し、修習生全員が検事役になってもらうとのこと。これはエライことになったとどよめく修習生あせる

取調べといっても、やるのは検察送致直後の弁解録取。警察が逮捕した後、48時間以内に検察へ送致されてきた被疑者に対して本人であることの確認や弁解を聴く手続です。

配られた事件記録を読んで、いざ取調べ。人定質問、権利告知等はなんとか済ませ、「被疑事実に間違いありませんか?」と尋ねると、
「私はやってません」。
ええ~ガーン
事件記録で「私ですごめんなさい」って言ってませんでした?

「・・・あ~・・・そうですか・・・ではもう少し詳しくお聞きします」となんとか言葉を継いで、真っ白になった頭で必死に事件記録の内容を思い出しながら質問を繰り返し、供述の矛盾点を指摘して「本当はあなたがやったのではありませんか?」と弱気に問い詰めてみるものの、言い逃れされるばかり。

結局時間切れで、否認の弁解録取書になってしまいました。凹みまくっていると、被疑者役の事務官の方が「被疑者の供述にはまだまだ証拠との矛盾があったはずですから、もうちょっとがんばれば落とせたかもしれませんね」とアドバイス下さいました。

終わった後で指導検事のお話されたとおり、大事なのはとにかく記録をきちんと読むこと、被疑者から「事実」(「真実」ではなく)を引き出すこと、決め付けないことなのでした。模擬で失敗しておいて本当によかった・・・。

どんな仕事もそうでしょうが、実際に(といっても模擬ですが)やってみると本当に難しいものだと思いました。