ジョーの立像があったり、紀ちゃんとデートした玉姫公園もあるようです。
記事からは、執筆者の並々ならぬ「あしたのジョー」への熱い思いがストレートに伝わり、とても好感が持てました。
★4 一部を抜粋して転載します。
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(略)
「なみだ橋を逆に渡るんや! ジョーよぉ!」
子供心にそう記憶した、段平の叫びを、悲しく忘れない。 泪(なみだ)橋とは、東京・南千住に実在する地名。近くには山谷の“ドヤ街”がある。主人公の矢吹丈は、孤児の不良だったが、底辺からボクシングの世界でのし上がっていく。
(略)
漫画での段平のセリフは、正確にはこうだった。 「この橋はな――、人呼んでなみだ橋という。いわく……、人生にやぶれ、生活につかれはてて、このドヤ街に流れてきた人間たちが、なみだでわたるかなしい橋だからよ」
宿無しの元ボクサー段平とジョーが、ボクシングで人間の尊厳を取り戻そうと誓う。
「このなみだ橋を逆にわたっていこう」
(略)
作品には、ほかにも金言が山ほどある。最も有名なのは、これだろう。 「ほんのしゅんかんにせよ、まぶしいほど、まっかに燃えあがるんだ。そして、あとにはまっ白な灰だけがのこる……。燃えかすなんかのこりやしない……。まっ白な灰だけだ」
この漫画には珍しいデートシーンでジョーが語った。乾物屋の看板娘・紀子は、鶏群(けいぐん)の一鶴(いっかく)。気立てのいい美人だ。ジョーに淡い恋心を抱いている。しかしジョーに、恋はいらなかった。ボクシングに、燃えて燃えて燃え尽きる、と。
「わたしついていけそうにない……」。紀ちゃんはジョーの元を去る。このあと偶然にも、「まっ白な灰」が全編を貫くキー概念になっていく。
(略)
★4
(略)
「なみだ橋を逆に渡るんや! ジョーよぉ!」
子供心にそう記憶した、段平の叫びを、悲しく忘れない。
(略)
漫画での段平のセリフは、正確にはこうだった。
(略)
作品には、ほかにも金言が山ほどある。最も有名なのは、これだろう。
(略)
ジョーは、世界チャンピオンに挑む。パンチドランカーになってしまったことを知りつつも、死に向かって、生きる。
当時の担当だった編集者が、「先生! この場面!」とひらめいたのが、先の、ジョーと紀ちゃんのデートシーン。ちばさん自身は、「描いたことも忘れていた」という。ラストシーンは、「まっ白な灰」になって微笑(ほほえ)むジョーの姿になった。
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本記事欄外メモによる今回の道の解説。
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泪橋は思(おもい)川にかかっていた。名の由来は江戸時代、小塚原刑場に引かれる囚人が涙を流して渡ったからとも、囚人の家族が永の別れで流した涙からとも言われる。思川は暗渠(あんきょ)となり、橋も撤去、交差点標識などに名前が残るのみとなった。
当時の担当だった編集者が、「先生! この場面!」とひらめいたのが、先の、ジョーと紀ちゃんのデートシーン。ちばさん自身は、「描いたことも忘れていた」という。ラストシーンは、「まっ白な灰」になって微笑(ほほえ)むジョーの姿になった。
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本記事欄外メモによる今回の道の解説。
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泪橋は思(おもい)川にかかっていた。名の由来は江戸時代、小塚原刑場に引かれる囚人が涙を流して渡ったからとも、囚人の家族が永の別れで流した涙からとも言われる。思川は暗渠(あんきょ)となり、橋も撤去、交差点標識などに名前が残るのみとなった。
「なみだ橋を逆にわたる」の名せりふは、原作者、梶原一騎さんのアイデアだったという。南千住駅西の回向院は刑死者らの供養のため開かれた---
名作マンガの一つです。
再読してみよう。