専業主婦の第3号被保険者見直しって不公平? | 会社ルールブックで業績UPを実現する。

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数日前の厚生労働省が出した、専業主婦の第3号被保険者の見直し案が結構話題になっていますね。

今まで、会社員の扶養になっている専業主婦などは、保険料の支払いがなくても国民年金に入っている事になるのが、働いている人から見れば不公平だという批判に対しての案です。

そりゃ、公平ではないですよね、不公平です。

そこで、今回、

「会社員の保険料の半分を、夫と妻で2等分して払ったことにする」

という、実質は変わらないじゃん、と一瞬で誰でもわかる案を出してきたのですね。
そりゃ手間とお金だけ増えそうな案を出せば、批判もたくさん来ますよね。

これはこれで問題ですが、ちょっとおいておいて、
取り上げたいのは、「不公平」というもの。

これは立場の違いで、必ず発生するものです。
また、立場の違い自体も二人以上の集団になれば、これも絶対的に存在するものです。

現在働いていて、保険料を払っている人から話を聞けば、
第3号制度を廃止して!というでしょうし、
現在専業主婦で第3号の人に聞けば、制度があるから助かっている、
というでしょうし。

よく、公務員批判をする人がいますよね。
「大事な税金を」とか「楽な仕事して」とか。

でも、自分の子どもには公務員になって欲しかったりする。

それと似たようなもの。
自分がどっちにいるのかで「公平感」なんて変わります。

結局、立場の違う人が集まる中では、必ず何をやろうとしても「不公平」は存在します。
問題は、それを気にしてばかりいると、本来の目的を見失ってしまうということです。


企業の評価制度を作成することが仕事柄多いのですが、代表的な失敗の一つが「公平」に囚われ過ぎるということ。

「公平」を目指すために、本来の目的をいつの間にか忘れてしまっているのです。

これからの会社が何をやりたいのか、やらなければいけないのか。

売上UPなのか、経費削減なのか、社会貢献なのか。

そこから、評価する社員の行動が決定されないといけません。

例えば、何が何でも「売上UP」が目的の企業では、「売上UP」に貢献する行動に大きな評価をするべきです。
そうすると、「売上UP」があまりできない立場にいる社員からは文句がでます。

「不公平だ」と。

それはそれで仕方がないのです。
公平にするために、評価する項目が目的とどんどんずれて行ってしまっては、目的からどんどん遠ざかってしまいます。

そんな「公平」を目指した評価制度がどれだけ多く、「評価制度入れたけれどあまり変わらないんだよね」という企業がどれだけ多いことか。

どちらにしても完全な「公平」にはならないのですから、「目的追求」でいかなくては。


話は最初に戻りますが、第3号被保険者制度について。

国が、政府が、これからの日本の年金制度をどうしたいのか、どうしなくてはいけないのか。
そこから制度を考えて、決めて行かなくてはいけません。

「公平」に囚われて、何の目的も果たせないのでは、と危機を感じています。
年金制度は、「まったなし」で目的を追求しないといけないものであるはずですが・・・。