このブログでは過去に入試頻出作家の作品を多く紹介してきました。
今年も過ごしやすい好季節を迎え、これから読書の秋も本番です
今回は近年の入試頻出作家の比較的新しい作品をご紹介します。過去に入試に出た作品ではなくこれから出る作品かもしれません。中学校や高校の入試作問の先生は必ずチェックされていると思います。皆様も気になる作品はチェックしてみて下さい。
*書籍紹介の青字の文は販売サイトから引用したもの。
*絵文字の説明
2023年発刊、要チェック!
2023年より前に発刊
ではスタート!
あさのあつこ『神無島のウラ』
(2023年2月)
子どもの友情や成長をみずみずしく描き、「バッテリー」や「THE MANZAI」などの大ヒットシリーズを生み出した、あさのあつこさんが新たに放つ感動作。厳しくも豊かな自然を背景に、子どもたちの交流と若手教師の再生を描く、令和の「二十四の瞳」的傑作。
あさのあつこ『アスリーツ』
初版は2019年ですがこちらもおすすめです。
結城沙耶は、中学2年で出場した全日本中学陸上県大会100メートルハードル女子決勝で転倒し、失意のうちに陸上部を退部した。親友の松前花奈に誘われ、広島の超進学校・大明学園高校へ進学し、射撃部に入部する沙耶…。
辻村深月『この夏の星を見る』
(2023年6月)
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。スターキャッチコンテストの次に彼らが狙うのは――。哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある。
重松清『おくることば』
(2023年6月)
小学六年生のユウたちは、先生から厳守するよう言われたルールを体育館裏でこっそり破る――。中学校入学式までの忘れられない日々を描いた書下ろし作品「反抗期」ほか、宇宙人への自己紹介について頭を悩ませる「星野先生の宿題」などの小説など、重松清から、今を生きる君たちにおくる6篇。
重松清『かぞえきれない星の、その次の星』
2021年発刊。感染症流行やウイルスの猛威をテーマにした作品も含む11の短編集。
感染症がひろがり休校になってしまった春、子どもたちのためにこいのぼりが企んだのは……。 「こいのぼりのナイショの仕事」「こいのぼりのサイショの仕事」。大切で大好きな相手であればあるほどいまは会えない。父と娘は、画面越しで会話する。 「天の川の両岸」…
いとうみく『バンピー』
(2022年10月)
母を病で亡くし、頼りの父は5か月前にふらっと家を出たきり行方不明。生活費だけは送られてくるものの、上から順に小5、小4、小1の妹たちの面倒を見ながら学校に通う、高校2年生の成。ある日、見知らぬ番号から着信が。それは近所のスーパーからで、妹が……えーー!? 不運、不幸、孤独、将来、不安、親ガチャ? ーーそれぞれにさまざまな思いをかかえながらも、人生のでこぼこ道を歩きだした若者たちへ、そしてすべての人へ、いまもっとも注目の児童文学作家が贈る応援歌。
いとうみく『朔と新』
2020年2月発刊、多くの学校で出題された名作です。
東京2020オリンピック・パラリンピックをむかえるにあたり年、ブラインドマラソンを舞台に、近いからこそ遠くに感じる兄弟、家族の関係を描き切った一作。日本児童文芸家協会賞を受賞し、2年連続で夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に作品が選出された、児童文学界屈指の書き手、いとうみくが渾身の書き下ろし!
瀬尾まいこ『私たちの世代は』
(2023年7月)
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。不自由で息苦しかった毎日。家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、与えてくれたものが確かにあった――。
瀬尾まいこ『君が夏を走らせる』
2020年7月発刊ですが、この作品も素晴らしいし、これ以外にも名作たくさんあります。
ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて――。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記
乾ルカ『明日の僕に風が吹く』
(2022年9月)
実家は病院で将来の夢は医師。東京で恵まれた中学校生活を送っていた有人は、学校で注目を集めたある出来事で希望を失い、引きこもり生活を続けていた。彼の行く末を心配した叔父の雅彦は、心機一転、北海道の離島の高校への入学を勧める。「海鳥の楽園」と呼ばれるその島で、たった4人の級友と島民に囲まれる日々。東京での暮らしとは全く違う環境に、有人が戸惑いながらも馴染み始めた頃、残酷な別れが彼を襲い……。未来を失った少年の絶望と再生を描く、感涙必至の青春小説。
まはら三桃『つる子さんからの奨学金』
(2023年2月)
初めて、もっと勉強したいって思った。女子ゆえに進学に苦労した曾祖母つる子は、ひ孫のわかばと樹に奨学金をだすという。ただし、そのためにはひとつ条件があって……。
高校受験とバレー部の両立、応援し心配する親からのプレッシャーに悩みながらも、わかばは挑戦するおもしろさを感じていく。
まはら三桃『日向丘中学校カウンセラー室』
2020年4月の作品ですがこちらも人気の名作です。
日向丘中学校は文字通り、日当たりのよい丘の上にある中学校。 ここでカウンセラーとして働く谷川綾のところへやってくるのは、ちょっと変わったお悩み相談ばかり。 しかもこの学校には、「ゴーストのゴウスケさん」が出るという…?
佐川光晴「駒音高く」
2021年2月の作品ですが地元瀬戸市の英雄が偉業達成ということで。
「絶対棋士になってやる」と誓った中学1年生の祐也だが、次第に勝てなくなり学校の成績も落ちてきて……(「それでも、将棋が好きだ」)。青春・家族小説の名手が、プロを目指す中学生、引退間際の棋士、将棋会館の清掃員など、勝負の世界で歩みを進める人々のドラマを生き生きと描く珠玉の短編集。第31回将棋ペンクラブ大賞文芸部門優秀賞受賞作。
椰月美智子『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』
(2023年4月)
小6の拓人、忍、宇太佳はスケボーが大好きな仲良し三人組。新たに見つけた格好のスケボー練習場所で出会ったのが神社の管理人、田中さんだ。その日から、11歳と85歳の交流が始まった。いつも穏やかに話を聞いてくれる田中さん。だが少年時代に人生が一変する出来事を経験していた。それを知った拓人たちは、ある行動を起こす――。
年の差をこえて築かれた、温かなつながりを描く物語。第69回小学館児童出版文化賞受賞作。
今回もご紹介した作品はすべて、主人公や登場人物が、小学生や中学生という作品ですので、小学生や中学生にとっては、物語の世界に入っていきやすく、本の中では移動制限も人数制限もなく自由奔放に擬似体験の旅が楽しめることかと思います。
説明文も滝や高田なんかで出そうな新作ご紹介しておきます。
稲垣栄洋『ナマケモノは、なぜ怠けるのか?―生き物の個性と進化のふしぎ』
よろしければ下記記事もご参照ください。
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