『いのちのいっちょうめ』―元気いっぱい、笑顔いっぱいの演奏を期待したい小学校の部課題曲
平成22年度NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲
いのちのいっちょうめ
作詞:里乃塚玲央、作曲:横山裕美子
※3/31現在、公開されていませんが、いずれアップされると思います。
「発表!Nコン2010課題曲」ですが、
再放送が明日ですので、
見逃した方はぜひ。
ラストチャンスではないと思いますが。
今日は今年の小学校の部の課題曲を。
小学生の「はじめて」に着目した詩で、
素直にいい課題曲だと思うので、
あまり語ることがないのですが。
作詞の里乃塚さんについては、
先日ご紹介
しましたね。
曲は、12/8拍子なのですが、
そういうのを考えずに
素直に口ずさんでみると、
口ずさみやすくないですか![]()
練習のときだけでも、優等生はやめて、
思いっきり左右にみんなで揺れながら
歌うとこの歌、いい感じに
仕上がるんじゃないでしょうか。
そういう歌の原点みたいなもの
(歌の一丁目というべき
)
をこの曲には注いで欲しいです。
それが作者の意図でもあると思います。
きっと審査員の顔も緩むことでしょう。
そうさせることのできた学校が
金賞であって欲しいです![]()
「ウー ワーッ エーッ オーッ」
の部分ですが、初演のような振り付けは
自然に出てくる団体でない限り、
つけないほうがいいかな、と思います。
狙いすぎるとちょっと醒めてしまうかも。
地声もアリだと思います。
私はそっちを期待したいです。
難しいかな![]()
ちなみに私が一番好きなフレーズは、
「いのち いのち いのちのいっちょうめ
ほんとうのきみが 住んでる場所さ」
という部分です。
ここを小学生たちがどう歌ってくれるか、
ちょっと楽しみです![]()
初演はこの部分のアルトが負け気味でしたが、
ソプラノは少し抑えて添える感じでもいいかも![]()
にしても、NHK東京児童合唱団は
歌がうまいですねぇ![]()
技術はどうかわかりませんが、
課題曲にしっくりくる演奏なんです。
なので、ここ数年はNHK東京児童合唱団の
初演が一番好きだったりします。
最近流行りの大人びた苦しそうな歌声や
作りすぎた表情が苦手なので、
そう感じるのかもしれません![]()
と、また苦言が出てしまいましたが。
気分を害されたらすみません![]()
ということで、小学校の部、
昨年の審査講評でも言われていましたが、
課題曲の名演に期待しています![]()
作者の「元気いっぱい 笑顔いっぱい」
という意図を忘れないでください![]()
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図書館にふらりと、合唱CDを漁ってきました(笑)~広瀬量平作品集・三善晃作品集・月光とピエロ
この前、市立図書館に足を運び、
合唱関連のCDをいくつか入手![]()
図書館ってスゴイですね![]()
貴重そうなCDや本がいっぱいです。
借りたCDは、3枚![]()
日本合唱曲全集
「海鳥の詩」(広瀬量平 作品集)
Nコンの課題曲「海はなかった
」(S50高)
が収録されています。
八潮高等学校の演奏よりも
さらに濃厚な演奏です。
前年の課題曲「ともしびを高くかかげて」
と比べて大幅な路線変更でしたが、
平穏無事に愛や友情を
歌い上げるのではなく、
もっと身近な現実の中から
切実に歌われるべき歌を、
と欲した人たちがいたことにより、
この曲は企画されたのだそうです。
詩は、重い鉛色の海を前にした
若者たちの思いが歌われています。
多くの団体に受け入れられ、
今でも歌い継がれている人気曲ですよね。
ただ、この歌に歌われている
「閉ざされた未来」や
「飛べない青春」が共感されるのは、
作曲家としては単純に喜ぶわけにもいかず、
複雑な思いをしたそうです。
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日本合唱曲全集
「三つの抒情」(三善晃 作品集③)
Nコンの課題曲「麦藁帽子
」(S61中)
は立原道造さんの詩が題材ですが、
飯沼信義さん作曲のものでした。
三善晃さんが作曲したものも
あるということで、借りてみました。
同じ詩が題材なのですが、
やはりまったく違いますね。
三善さんの方がメルヘンチックというか、
視覚的な美しさを前面に出している感じです。
飯沼さんの方は主人公の内面的なものを
前面に出している感じがします。
聴き比べると面白いです。
----------
合唱名曲コレクション44
「月光とピエロ―Around SingersⅢ―」
男声合唱では古典ともいえる
Nコンの課題曲ともなった
「秋のピエロ
」(S59高・男)
の別の団体の演奏も聴いてみたくて
借りてみました。
最近、男声合唱がツボなので、
借りてみて正解でした。
アラウンド・シンガーズ
の演奏は
とてもいい演奏で、ぜひとも
生で聴いてみたいです。
廃盤のCDなので、これは収穫でした。
ちなみに、東芝のCDなのですが、
100枚以上になれば再プレス可能なんだとか。
どうにか100人集めて、合唱名曲コレクション39
も欲しいなぁ
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『いのち』―Nコン2010高等学校の部課題曲(谷川俊太郎/鈴木輝昭)の感想をあらためて
平成22年度NHK全国学校音楽コンクール高等学校の部課題曲
いのち
作詞:谷川俊太郎、作曲:鈴木輝昭
(2010.3.29現在では公開されていません。)
私が今年一番注目している課題曲、
高等学校の部の「いのち」
作詞の谷川俊太郎さんの詩の朗読まで
聴けるという贅沢な初演を観て感じた
私の思うこの曲のポイントをあらためて![]()
(1連目)---------
ヴォカリーズ(スキャット)から
はじまります。
私は“躍動しはじめた、いのちの叫び”
と捉えています。
どれだけハーモニーを鳴らせるか、
合唱団の腕のみせどころです。
そして突如、駆け抜けるような
旋律がはじまります。
象の足元(大)と一匹のアリ(小)、
太平洋(大)とイワシの群れ(小)、
地球上の様々ないのちが
大小の対比で表現されています。
コンクリの割れ目に咲く花、
大空に輪を描くトビ、
力強い地球上のいのちたち。
この部分、カメラが地球上を
フラッシュバックのように
スピーディーに駆け巡り、
その光景を捉えている感じと
私はイメージしています。
臨場感や緊張感みたいなものを
表現してくれるのを期待しています。
(2連目)---------
フラッシュバックのように
地球上の表情が映し出された後、
曲調が変わり、背中合わせのような、
いのちの不思議な循環(混沌)の中に
いることに私たちは気づきます。
いのちがいのちに“奪われ”るときも
いのちはいのちから“生まれ”
いのちがいのちと“争う”ときも
いのちはいのちと“むすばれ”ている
ことを。
暗くなりすぎず、明るくなりすぎず、
表現して欲しいです。
(3連目)---------
ここから谷川さんの主張(メッセージ)部分です。
ホモサピエンス(“知恵のあるヒト”という人間の学名)
という以前に、ヒトも1連のフラッシュバックで
映し出されたいのちの躍動の中にいる
無数のいのちのひとつであることが
まず主張されています。
そのいのちの土壌が生き物を育む地球であり、
今度は私たちへとフラッシュバックは向けられ、
曲調も1連のようにスピードがアップします。
ひたむきに地を蹴るいのち
ひたむきに夢見るいのち
谷川さんはこの歌をうたう
高校生たちに最後にフォーカスを
当てたのでしょう。
いま響くこの歌声も、
みんないのち いのちをうたう
と君たちが今歌っている美しい歌声も
いのちのひとつなんだ、
と締めくくられています。
この部分、歌っている自分たち自身と
重ねてイメージすると表現しやすいと思います。
ただ、模範演奏でも息切れして
ブレてしまっている団体もあったりと、
頑張って表現して欲しい部分ですね。
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壮大な課題曲です。
鳥肌ものです。
私もぜひ歌ってみたいです。
このレビューを書いている間でも、
“いのち”というフレーズが
何度も登場しています。
何度も登場しているということは、
どれも同じ表情であっては曲が
ベタっとしてしまいます。
注意して欲しいですね。
鈴木輝昭さん作曲なので、
初演の団体も苦労していましたし、
難解で苦しむことも多いと思うのですが、
難易度といった表面的なことよりも、
この曲の命が何かを感じて欲しいですね。
それでこそ課題曲なんだと思います![]()
全国の高校生のみなさん、
名演を期待しています![]()
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