昭和59年のNコン改革で行われた審査方式「新点数換算法」とは?
立て続けの更新です。
昭和59年といえば、
前年に半世紀を迎えたNコンが
大きく改革された年です。
一部を紹介すると・・・
(1)全音研を共同主催に迎え、
運営基盤の強化。
(2)課題曲を選択制に。
(3)参加人数の緩和。
(4)部分的な複数表彰制の導入。
(5)審査基準に教育的評価を盛り込む。
(6)部分的にコンピュータグラフィックで
審査結果を公開する。
(7)コンクールの檜舞台を全国から地区へ。
(最優秀演校奏会の廃止)
この中で(4)に挙げられている、
複数表彰制はどのようにして
行われたていたのか?
紐解いてみます。
※出典:「教育音楽」(音楽之友社、1985年)
それまでのNコンは「点数換算法」でした。
【原則】
同点を認めない。
【手順】
9校の順位を決める。
↓
点数に換算。
↓
その点数をトータルする。
昭和59年からの「新点数加算法」は、
「同点を認めない」という原則を
「若干の補正を認めても良い」
という考えに基づき表彰する方法。
◎同点やほぼ同点なら一緒に表彰。
(次の3位と大きな差があれば、
1・2点の差を認めても良い。)
◎1位グループ.、2位グループ、3位グループ
をコンピュータに判断させる。
つまり、最優秀が1校しかない年は、
断トツの優勝ということになりますね。
また、コンピュータに順位判定させる過程を
テレビで見せたのが改革(6)でしたが、
この改革は59年の1年きりで終わりました。
小学校の部で学校名を伏せずに公開し、
審査員からも批判がありました。
(中・高では学校名を伏せたそうです。)
この複数表彰制ですが、県や地方大会では
1校しか選ばないので、矛盾がありました。
ただ、序列表彰でないことを
示すことにはなりました。
ちなみに、現在ではほぼ「新増沢方式
」です。
「ほぼ」というのは銅賞が
2校だからなのかもしれません。
このほぼ「新増沢方式」が
平成14年度から「NHKコンクール方式」
という名称に統一されました。
どこから新増沢方式に移ったのかは不明ですが、
恐らく、金・銀が1校ずつになった
平成6年頃なのでしょうか?
ちなみに全国コンクールの審査投票が
出場校に公開されたのは平成15年から。
(中・高が15年、小は16年です。)
審査員匿名での公開となっています。
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【NコンH2・H3小】平成2~3年度NHK全国学校音楽コンクール小学校の部
ネット上でなかなか情報が見つからない
平成2年~平成9年のNコン小学校の部の
自由曲を順に掲載しておきます。
誤植あったらすみません。
【平成2年度】
※金賞・銀賞以外はすべて銅賞です。
※演奏順です。
■課題曲
「千年の樹」
(作詞:高田ひろお、作曲:小林秀雄)
(1)北海道教育大学附属旭川小学校【銀賞】
■自由曲
「七色の輪の中に」
(作詞:山本瓔子、作曲:柳沢浩)
(2)宮城県仙台市立東長町小学校
■自由曲
「天使と羊飼い」
(訳詞:大熊進子、作曲:ゾルターン・コダーイ)
(3)長野県長野市立朝陽小学校
■自由曲
「風のとおりみち」より「かぞえうたⅠ・Ⅱ」
(作詞:谷川俊太郎、作曲:三善晃)
(4)神奈川県大磯町立大磯小学校
■自由曲
「四季のソネット」から<夏>
(作詞:伊藤良一、作曲:内田勝人)
(5)愛知県蒲郡市立中央小学校
■自由曲
「鮎の歌」から「鮎の歌」
(作詞:関根栄一、作曲:湯山昭)
(6)兵庫県神戸市立小部小学校
■自由曲
「祭りと子ども」より「祇園祭」
(作詞:中村千栄子、作曲:岩河三郎)
(7)島根大学教育学部附属小学校【銀賞】
■自由曲
「葡萄と風と赤とんぼ」
(作詞:関根栄一、作曲:湯山昭)
(8)愛媛大学教育学部附属小学校【金賞】
■自由曲
「わらべうた」 より「うそつき」「すりむきうた」
(作詞:谷川俊太郎、作曲:三善晃)
(9)鹿児島県伊集院町立伊集院小学校
■自由曲
「祭りと子ども」より「花まつり」
(作詞:中村千栄子、作曲:岩河三郎)
【平成3年度】
※金賞・銀賞以外はすべて銅賞です。
※演奏順です。
■課題曲
「朝のおまじない」
(作詞:村田さち子、作曲:松尾祐孝)
(1)北海道苫小牧市立澄川小学校
■自由曲
「祭りと子ども」より「秋まつり」
(作詞:中村千栄子、作曲:岩河三郎)
(2)愛知県蒲郡市立中央小学校
■自由曲
「みかんの花はかおり」
(作詞:関根栄一、作曲:湯山昭)
(3)兵庫県神戸市立小部小学校
■自由曲
「祭りと子ども」より「花まつり」
(作詞:中村千栄子、作曲:岩河三郎)
(4)香川県高松市立太田南小学校
■自由曲
「けだものが来た」
(黒人霊歌、編曲:伊藤武敏)
(5)鹿児島県伊集院町立伊集院小学校
■自由曲
「祭りと子ども」より「祇園祭」
(作詞:中村千栄子、作曲:岩河三郎)
(6)長野県長野市立朝陽小学校【金賞】
■自由曲
「つる」
(作詞:矢田部誠子、作詞:矢田部宏)
(7)青森県八戸市立城下小学校【銀賞】
■自由曲
「通りゃんせ」
(わらべうた、作曲:夏木邑介)
(8)山口大学教育学部附属小学校
■自由曲
「あの日から」
(作詞・作曲:三善晃)
(9)神奈川県大磯町立大磯小学校【銀賞】
■自由曲
「草笛のうた」から「美しい朝」
(作詞:小黒恵子、作曲:湯山昭)
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【Nコン審査員の声】コンクールにおける「ゆとり」と自由曲の選曲について
Nコン審査員がNコンをどう見てきたか?
過去の「教育音楽」に掲載されたものから、
今にも通じるもので気になったものを
ピックアップしてみました。
■「ゆとり」について想う
「合唱は楽しいものであり、
心和み、安らぐものである」
↓
◎コンクールにおける合唱
→悲壮感に溢れ、力演であればあるほど、
聞いていて肩が凝ってしまう。
(努力されていることは承知の上、
あえて問題提起してみたい。)
↓
(1)もっと易しい曲をゆとりを持って歌えば、
楽しさが伝わるのでは?
(2)精一杯声を出しすぎて、演奏にゆとりがない。
↓
迫力があることがコンクールの
入賞の決め手と思い込んでいる。
→指導者は常に心のゆとりを。
■自由曲の選曲の仕方
◎課題曲と自由曲の2曲合わせて
1つのステージと考えた方が良いのでは?
→同じような曲が2曲続くのと、
対比を考え変化に富んだ2曲では、
根本的にそこから受ける印象は違ってくる。
■所感
「ゆとり」については異論もあると思います。
ゆとりのある易しめの選曲をすると、
審査員によっては物足りなく感じるのか、
「もっと難易度の高い楽曲を聴いてみたい」
と講評されることもあります。
審査員の間で考え方が異なるのは当然ですが、
現場が振り回されないかも心配です。
個人的にはゆとり選曲大賛成です。
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