前回からの続きです。
当時、この海域、、、と言うには離れすぎていますが、南の海域では、中国海軍の空母「山東」が航行していたことから、ネット上ではすぐに反応が出ました。
これは、中国海軍に撃墜されたのではないか、と。
しかし、軍事に詳しい人なら、逆にそれは有り得ない事は簡単に想像できるはずなのです。
まず、中国海軍が、戦争状態でもない日本という主権国家の領空を飛行中の、それも自衛隊の高級将校たる「陸将」が搭乗する機体を撃墜したら、何が起こるか、という点です。
世界で最も危険な海域と言える台湾の目と鼻の先。
このような所で、最初に手を出したら、世界中から悪役にされてしまいます。
どんな軍隊や国家であっても、戦うには国民を納得させる「大義」が必要になります。
逆に言えば、この大義が双方の国家で国民の支持を受けることで、戦争は泥沼化してゆきます。
今回のウクライナ戦争、ガザ地区へのイスラエル軍進行、この双方とも、それぞれの国家や地域の市民国民の絶大な支持を受けているのです。
これを見て解る通り、戦いを始めるには、相当の「大義」が必要になります。
しかし、この時点での中国には、日本の高級将校を撃墜するだけの「大義」はないのです。
それが、排他的経済水域であれば、まだ双方に言い分があります。
しかし、宮古島は領土問題も起こってはいない海域であり、確実に日本の領海なのです。
それは、当の中国海軍が一番理解しており、それを冒してまで攻撃する意味がありません。
大義の無い攻撃は、世界中から非難を受けます。
世界中の非難には、実行力の伴う「経済制裁」や、政治トップの「国外資産の凍結」など、国家中枢の人間にとって好ましくないものが多く含まれます。
仮に、今回の件が中国軍によるものだったとして、中国人は誰も得をしないのです。
また、大陸の人は、半島の人のように感情で動くよりも、損得で動く傾向があります。
それ故、感情論としての正義だけでは、実力を行使しないお国柄でもあります。
これが半島の人たちであれば、偶発的な感情論による衝突はあったかもしれません。
実際に、危険な事案もいくつかありますし。
それは、あちらの事情ですから、私達が口出しするべきことではないのかもしれません。
しかし、中国と台湾の問題は、私達に直接かかる火の粉です。
それも特大の火の粉ですから、私達は当事者と考えるべきなのです。
そのように考えると、今回の墜落事件は、中国側から見れば、理由もなく他国の、それも要人を乗せた軍用ヘリを撃墜することになる訳ですから、かかる火の粉はとてつもなく大きなものになります。
ましてや、中国の目標は、あくまで台湾であり、日本は付随的な目標に過ぎません。
その、大目標である台湾侵攻の前に、日本を攻撃してしまえば台湾侵攻時の奇襲効果が激減してしまいますし、この海域にアメリカ海軍を呼び寄せてしまいます。
そう言う意味では、日本が先制攻撃をして、戦闘状態に入ることがあれば、逆に中国軍の企図を挫くことができるかもしれません、、、自衛隊がそれをするとは思えませんが、、、。
中国海軍は、かなり増強されているとはいえ、まだまだアメリカ海軍に勝てるレベルではありません。
台湾有事で、中国海軍が最も重視しているのは、まったく侵攻の兆候を見せずに奇襲的に台湾を制圧し、アメリカ海軍が到着するより前に既成事実化させることですから、それより前に自衛隊機が中国軍によって撃墜されれば、本丸の台湾には手が出せなくなってしまいます。
つまり、最初からバレる範囲で中国軍が日本国自衛隊を攻撃すると言う図式は成り立たないのです。
しかし、今回の事件には、何かしらの「作為」はあったと感じられるのです。
むしろ、、、そこが最も厄介な部分と言えます。
それでは、その「作為」とは、誰が誰に対しての作為であったのか、、、。
もう一度、この図を見てください。
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緑色の経路が、当初公開された経路です。
黄色い経路が、その後の報道で訂正された経路です。
まず、、、、この作為は、非常に危険な因子を含む事をご理解ください、
この黄色点線で囲んだ重要海域を拡大します。
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すると、今回のレーダーから消失したという地点に違和感を感じませんか?
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おかしいですよね、レーダーから消失したという事は、その地点までヘリは飛行した、と公式発表しているのです。
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実際に、浮遊物が発見された地点は、機体が発見された地点のほぼ真上から北側に集中しているのが解ります。
よく、空中分解説を唱える人もいますが、この図を見ると、それは違うと解ります。
機体が発見された地点で集中的に部品が発見され、その北側に散っているという事は、空中で飛散したのではなく、墜落し、水面に叩き付けられた後粉々になり、部品の重さや大きさによって、北側に流されたと考えるのが自然です。
少なくとも、飛行高度が300mで爆発しても、北側8キロまでは飛散しませんので、海没した地点から部品が逐次浮いて来た、と考えるのが自然な事です。
(航空法上の飛行高度は300m以上の規定があるため、低空飛行だったとしてもこのくらいと想定しての高度です、実際はさらに低い150~200m程度だったと考えています)
そして、やはり公式にレーダーから消えた、とされる地点から直線で4キロも北に実機が沈んでいた、という事実。
これは事実を述べているだけで、私が何かを作為しているのではありません。
この機体が、海底を4キロ流されたのだとしたら、どうして機体のすぐ傍に5人の遺体があったのでしょうか?。
それは、この機体が発見された直上で墜落したからに他ならないのです。
それでは、この公式発表のあった飛行経路を除いた図を見てみましょう。
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解りますか?。
何のことはありません、この提出された飛行計画と、ほぼ同じコースを飛行していたはずなのです。
仮に違っていたとしても、ごく僅かな誤差程度の飛行経路だったことでしょう。
あくまで、事実だけを繋いで作成した当日の飛行経路予想図がこれです。
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黄色線に赤い縁取りの派手な線が、予想される当日の飛行経路です。
当たり前です、当初にレーダーから消えた地点と、機体が発見された場所を直線で引けば、このような経路になるはずです。
一応、「海岸線を飛行します」との無線連絡を踏まえて、当初の経路よりやや東寄りに変更しています。
もし、一番最初の報道にあった飛行計画通りに機体は飛んだ、とされていれば、発見はもっと早かったはずなのです。
それでは、公式発表のレーダーによる飛行経路を、もう一度重ねてみます。
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これでもう、解りましたね。
公式発表は、絶対に在り有り得ない地点で機体が落ちたように、事実と異なる発表をしている事になります。
こうして見ると、かなり印象が異なることに気付きましたか?
少なくとも、実際に飛んでいないこの地点まで、レーダーに機影があったとすれば、その方がよほど危険な情報です。
なぜなら、自衛隊のレーダーが何か別の物を捕えたか、外部のハッキングによって機体の位置を4キロも南に誤認させられたという事が事実になってしまうからです。
自衛隊が、悪意を持ってこのような事をするとは考えにくいのです。
何故なら、自分たちの仲間を一刻も早く見つけてあげたいと考えていたのは、他ならぬ自衛官ですから。
だとすると、最後に、厄介な事実が浮かび上がってくるのです。