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北風小僧が、東京の街を、ケラケラと笑いながら、駆け回っているんだ。
冷たい朝の風の中、背中を丸めて、歩く僕。
ショーウインドゥに、映る自分の姿を見て、やれやれと、想う。こんなに背中を丸めて歩いてたら
年寄りなんだか、若いんだか、わかんないじゃないか。寒いけれど、背筋を伸ばしてシャンとして
冷たい風に立ち向かう。ああ、そういうや、太陽と風って絵本があったっけ。
冷たい風にさらされたり、熱い太陽の日差しに照らされたりする話だったっけ。
あの、主人公が着ていたマントは、どこに売っているんだろう。僕も、あのマントを羽織ったら、
こんな風に背中を丸めずに、いつだって、颯爽と歩けるってのに。北風小僧と、一緒に、駆け回って
君の元まで、飛んでいくのに。な。
すっかり、寒くなったよ、夜なんか特に。人肌、恋しく、ありませんか?僕で良かったら、暖めてあげるよ。


