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アタタカイココロを、空腹な僕は朝から貪ったんだ。
昨夜貰った、柿フタツ。猫の分よ、と、貰ったけれど、実際のトコロ猫は、柿は食べないみたいで
代わりに僕が頂いたんだ、猫の分までね。そして、今夜の冷蔵庫には、葡萄が1房残ってる。
スチューベンは昨夜食べたけれどもう1種類の葡萄の名前がわからない。
皮が薄くて、食べる時に、種もあって少しだけ食べにくいあの葡萄。紫と、緑が混じってるような、
そんな色の葡萄なんだ。昨夜も葡萄を頬張ったっけ。
今夜も、葡萄を頬張ろうか。そういや、林檎酒があったっけ。葡萄と、林檎酒。
僕は、いつの頃か、林檎が食べられなくなってしまったんだ。
だから、それからの僕は、林檎酒を嗜むようになったっけ。
甘い、甘い果実の匂いが、部屋中に染み渡れば良い。甘い果実の匂いに包まれたい。
そんな日曜日の夜を猫と共に、過ごそうと想うんだ。君や、あの子や、あのヒトを、想い出しながら。
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二つ、持って行きなさいな。
でも、帰ってから食べちゃいけませんよ。明日の朝に召し上がれ。
そう言って、僕の両手に渡してくれた丸くて綺麗なオレンジ色の柿。
ヒトリの僕には二個もいらないんだ。と、ヒトツ返そうとしたら、君は、猫の分。と、微笑んだ。
甘そうだけど、しっかり硬い柿を、僕は宝物のように抱えて帰ったんだ。
酔い冷ましの柿とは良く言ったものだ。ノンアルコールの僕には、酔い冷ましなんか必要ないけれど、気持ちが、嬉しい。心遣いが、暖かい。
冷たい夜風と、柿と、月。
今夜は、あの日の満月を想い出す。物凄く綺麗で、燐としていて、キラキラしている、あの日の満月。
そう、君と過ごしたあの夜を。
ベット In する前に、君にメールをしよう。
窓から見える月の写真と、おやすみの、言葉を。
たまに、こんな真夜中に、メールして驚かせたって良いんじゃないかなって、想うんだ。


