鞍馬・貴船めぐり⑧ ~奥宮と橋姫~ | NAVI彦 ~つつがなき神さまめぐり~

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神社めぐりをしています。
その土地ならではのお話も、
さくっとまとめてます。

貴船(きふね)神社の
奥宮です。



貴船祭のときには、
出雲神楽(いずもかぐら)が
上演されるという境内は

とてもひろくて、
神気に満ちています。

 



こここそが、
創建不詳として
太古より祀られた

貴船神社だといいます。

またの名を、
黄船宮(きふねのみや)
といい、



第18代・反正(はんぜい)天皇の
時代に

玉依姫命(たまよりひめ)
黄船に乗って、

大阪湾から、
淀川、鴨川、貴船川を
さかのぼって

たどり着いたのが
この地だといいます。



そのときに、
乗ってきた黄船は、

人目をはばかって
石で覆われ、

現在でも
船形石(ふねかたいわ)として
境内に残っていました。


 

この船形石から、

小石を持って帰って

船に乗ると、

航海安全の御利益が

あるといいます。

ですが、

みなさん持って帰られたのでしょう、
小石なんて見当たりません。
 

 

祭祀用の

くぼみでしょうか?

船の乗込口でしょうか?


奥宮の祭神は、
本宮とおなじく
高龗神(たかおかみ)
だといいますが、

 

由緒のように、

玉依姫とも、

闇龗神(くらおかみ)とも、

 

航海安全から、

船玉神(ふなだまがみ)とも

いわれているようです。

 



こちらが、

奥宮の本殿です。

本殿の下には、
巨大な龍穴(りゅうけつ)が

あるといいます。

龍穴とは、
龍脈(りゅうみゃく)という
大地をながれるエネルギーが
噴き出すパワースポット
だといいます。

この地脈というか、

氣の流れを

たどるのも面白く、

たとえば


北は
若狭湾や

若狭彦神社から

南は

祈雨の神社といわれる
奈良の丹生川上(にうかわかみ)、

和歌山の
熊野(くまの)大社や
玉置(たまき)神社、

串本(くしもと)にいたる
縦のラインがあります。

 

 

関西には、

関西五芒星という
パワースポットがありまして、

 

その

中心線のラインですね。

 

漫画の陰陽師でも、

この縦ラインを繋いで

雨乞いをしていました。


水に関しては、

それほど氣が強い

ようですね。

 

その

氣の強さのせいか、

 

はたまた

水は女と繋がるせいか、

 

ここは、

願掛けを通り越して

呪殺にまでいたる、

 

「丑の刻参り」の地

でもあるといいます。

 



いまでも朝になると、
藁人形が打ちつけてある
と聞いたことがあります。

貴船大神が、

本宮裏の山中にある

鏡岩に降臨したのが、

丑の年、丑の月、丑の日、丑の刻

という伝説に由来して

 

「丑の刻」が

もっとも願掛けによいと

思われたようです。

 

丑の刻は、

深夜の1時~3時で、

 

方角で言うと、

艮(うしとら)で鬼門です。



深夜でかつ、

鬼というイメージが

怨恨に結びついたのかも

しれません。

そんな
「丑の刻参り」の

もとになったのが、
 

「宇治の橋姫(うじのはしひめ)」

伝説だといいます。



嵯峨(さが)天皇の時代に、
高官の娘が
嫉妬にとらわれて、

貴船神社に
7日間籠って


どうかわたしを
鬼に変えてください。
妬ましい女がいるのです。


と祈ったところ、
貴船明神の声が、


鬼になりたければ、

鬼の姿に扮して、
宇治川に3週間浸かれ


と聞こえたそうです。
 

そこで女は、
髪をくくって角をつくり、
全身を紅で染め、

五徳(鉄輪)をかぶると、
その鉄足に松明を灯け、

さらには松明をくわえ、


大和大路をくだって
宇治川に飛びこんだ

といいます。

こうして21日間、

宇治川に浸かった女は、


鬼と化して、

妬ましい人々を
次々と殺したそうです。




いまでも
宇治橋のたもとには
橋姫神社があって、

縁切りの御利益が
あるそうです。

ただ、
この橋姫神社は、
 

上流の

桜谷(さくらだに)から遷座した

瀬織津姫(せおりつひめ)
祀っているともいわれます。

 

桜谷は、

大祓詞(おおはらい)にもある

佐久那太理(さくなだり)から

きているのでしょう。

もしかすると、
瀬織津姫の実家ともいわれる、
佐久奈度(さくなど)神社の

ことかもしれません。

 

宇治橋から遡上して、
瀬田川(せたがわ)にはいると

佐久奈度神社があります。

 



また、
別の伝承によると、

都に住む女が、
夫の浮気に怒り、

橋姫とおなじく

鬼の化粧をして、

鉄輪に火をつけてから、


貴船神社に詣で、
7日間の呪詛を
かけようとしたそうです。

しかし6日目に、

家の近くの井戸で

息絶えているのが

見つかったといます。

 

その井戸は、
鉄輪井戸(かなわのいど)といわれ、

いまでは
井戸の水を飲むと
縁切りの御利益が
あるといます。

興味深いのは、

これもまた、

おおよそ縦のラインで
並んでいると

いうことでしょうか。

 



結社では、
縁を結ぶといい

奥宮では、
縁を切るというのも

なかなかどうして、
不思議なものです。

 



橋姫という名は、
もとは愛しいを意味する
「愛(は)し」から来ており、

やがてそれが
「愛人」を意味するように
なったといいます。

正妻と愛人のあいだで
ゆれうごく……

そこへ、
瀬織津姫という名と、

磐長姫(いわながひめ)

→ヤマタノオロチとくれば、

ホツマツタヱ的には、
コマス姫ハヤコを
思わずにいられないでしょう。

天照大神の
12人の妻のひとりであり、

ソサノヲとの
スキャンダルにより
左遷されて、

嫉妬に狂い、
やがて
ヤマタノオロチと化すのでした。

 



こうしてみると、
橋姫伝説は
 

ホツマツタヱを
うつしているようにさえ
見えてきます。

磐長姫、玉依姫、龗神……

 

いったい、

貴船大神とは

どんな方なのでしょうか?

 

とここで、
ホツマツタヱをひもとくと、

 

かつて

貴船神社には、

豊玉姫(とよたまひめ)が

いたといいます。

 

記紀では、

玉依姫の姉にあたり、

 

ホツマでは、

姪っ子で――

 

ここにもまた

カモ族

関わるようなのです。

 

 

次回は

ホツマツタヱから、

地図と相関関係を

ひらいてみようかと

おもいます。

 

 

鞍馬・貴船めぐり⑨ へ つづく

 

 

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