重力ピエロ【邦画】
2009年作品
思っていたのと違った。切なくて、重い作品だった
タイトルに「ピエロ」と入っているので、
なんとなく、楽しい作品なのかと、思い込んでました。
幸せな家庭を壊した連続婦女暴行事件。
その犯人の子を産み育てた夫婦。
家族の物語だった。
2009年の作品。
今から15年ほど前の作品だ。
みんな若い!
けど、変わってない。今も変わらず活躍している俳優陣。
特にね、岡田将生の幼少期を演じたのは、北村拓海。
すごい美少年。最初、分からなかったもん。
時の流れを感じちゃう。
物語と感想(青)
そんな感じで、この作品を見ていく。
兄弟の奥野泉水(加瀬亮)と春(岡田将生)が、仲良しなのだ。
子供の頃から、春が犯人の子だと知っても、泉水は、弟思いのいい兄だった。
ほのぼのとして いました。優しい兄。兄を頼る可愛い弟。
春が、連続放火事件と、その付近に謎の落書きアートがリンクすることに気が付く。兄の泉水に、阻止しようと、持ち掛ける。
優しい父に、奥野正志(小日向文世)。
亡くなった、美しいモデルだった母に 奥野梨江子(鈴木京香)。
仲の良い、いい感じの家族に、暴行犯に襲われてしまう母。
妊娠が分かり、父は、産もうという。生まれたのが、次男春だ。
ネットのレビューでは、緊急避妊薬があるだろうとか、産むなんてリスキーだという言葉があった。ですが、緊急避妊薬は、ここ数年周知されていたけど、この作品の当時は、一般的じゃなかったはず。それに、もし、犯行の前、数日前でも、夫婦で営みがあったら、もしかしたら、夫婦の子供かもしれないという気持ちもあるだろう。そのあたりは、作品で触れていないから、私の想像と、そうであってほしいと思う心です。今なら、早い段階で、産む前にDNA検査が出来ると思います。ですが、当時としては、仕方のない選択だったのかもしれません。
そのことは、みんな知っているという。
転居し、自然豊かなところで、幸せに暮らす家族。
春は、自分の出生に気が付くのも、早かった。
こどもを通して、春は知っていくんだけど、人の口にはとは建てられないよな。だけど、公衆の面前で、本人に向かって言うのは、どうよ。言っていい事と悪い事の区別がつかないだな。
正式には、母が事故で亡くなった際、父から、春の父と出生について話された。
出来れば、墓場まで、持って行って欲しい話だけど。
ネット社会が、すぐそこまで来ているのだから、親から聞くのが適切だった気がする。
連続暴行の犯人葛城由紀夫(渡部篤郎)が、町に戻っていると知る。
泉水は接触し、犯人の吸い殻を持ち出し、春とのDNA鑑定をする。
二人は親子関係だと、合致してしまった。
この合致するシーンは、間違いであってほしいと、思った。
祈る思いで見ていました。
泉水は、犯人と会い、事件のことを聞き出す。今でも反省しておらず、面白おかしく被害者の事を話す。犯行後の写真まで、いまだに持っているという。
渡部篤郎が暴行犯だけと、本当にクズっぷりは、腹立つ。
泉水は、殺そうと決意。
優しい兄も、今までの春の苦悩を考えると、我慢ならなかったようだ。春の苦悩もそうだけど、泉水だって、母の被害の事で、悲しい、悔しいことは少なくなっだろう。それは、描かれていないから、私の想像だけど・・・。父親だって、事件後、職を変えているしね。
話は前後するが、連続放火犯は、春だった。
その現場は、連続暴行の現場とリンクしていた。
うすうす、春ではないか?と思っていたけど、春のストーカーだった吉高由里子が一部始終見ていたので、すぐに泉水にわかってしまう。
最後、この家族の住んでいた家に、犯人であり実の父親を呼んだ春。火を放ち、父をバットで殴り、殺してしまう。
現場に向かう泉水。
最終目的は、こうだったんだ。と。
二人は、自宅で寝ており、父は二人の行動に気が付く。
父親だって、殺したいほど、犯人を憎んでいたと思う。
数年後、兄弟は仲良く、父親の家業を継いでいた。
多分、胃がんを患っていた、父は亡くなっているんだろうな。
ピエロのタイトルの回収は、子供の頃、家族で見に行ったサーカスのピエロの事だった。
このくだりがなくても、この家族は仲良しで、一致団結して、幸せだったと、十分わかっていた。タイトルに絡めてのシーンだったのなら、違うタイトルでもよかったのかもしれません。
覚書
監督
森淳一
原作
伊坂幸太郎
脚本
相沢友子
奥野泉水(加瀬亮)
奥野春(岡田将生) (幼少期=北村匠)
奥野正志(小日向文世)
奥野梨江子(鈴木京香)
夏子(吉高由里子)春のストーカー
山内(岡田義徳)
葛城由紀夫(渡部篤郎)春の実の父 犯人