大宮さんの恋物語です。
あちらからの移行分です///。
楽しんでいただけたら嬉しいです♡
では・・・どぞ・・・///。
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その夜。
叔父さんの家にでも行ったのか。
夕食の時から・・・和と潤はいなくて。
部屋にも来なくて。
俺は。
雅紀と翔君と三人で。
トランプをしていた。
ちょっと飲みながら。
つまみながら。
トランプをしていたんだけど。
自然と。
就職の話になって。
初給料が入ったら三人で絶対に飲もう・・・って。
そんな話をしてて。
お互いの会社の話を。
ちょっと・・・していた。
ずっと。
4年間一緒にいた俺達。
バラバラの職種について。
それぞれの会社で働き始める。
新しい環境で。
新しい友人とか上司とかできて。
そう。
いつまでも一緒って訳にはいかないよね・・・と。
あの。
和の言葉を思い出した。
友人として・・・仲間として・・・は。
いつまでも一緒は一緒なんだけど。
ずっと同じようにはいられない。
それは。
当たり前の事なんだけど。
そう思うと。
やっぱり寂しく感じる。
こんな夏も。
もう・・・この先ないのかと思うと。
今が。
とても大事な時間に感じる。
「智いる?」
急に。
ノックもせずに。
潤が入ってきた。
その声と雰囲気とでわかる。
なんか。
怒ってるって。
「・・・どしたの?」
雅紀が能天気に声をかける。
翔君は。
俺と同じように・・・潤の不機嫌を見抜いたのか。
若干。
緊張したように見えた。
「今日さ。」
雅紀には答えずに。
すぐ俺のそばに来て。
立ったまま俺を見降ろして言う。
っていうか。
ちょっと怖いんですけど。
「和と海に入ったじゃん。」
「・・・。」
声を出さずに。
コクン・・・と頷く俺。
っていうかもう。
何を言われるのか・・・びびっちゃって。
声がでない。
若干。
後ろめたさを感じているのは。
・・・。
・・・。
なぜなんだろう。
何も。
悪いコト・・・していないはずなのに。
して・・・ないよな。
・・・。
・・・。
うん。
してない・・・と思う。
多分。
「それ。」
「・・・。」
「和から誘ったってホント?」
「・・・。」
いや。
嘘です。
俺から誘ったし。
っていうか。
誘うも何も。
無理矢理・・・だし。
でも。
そんな事。
言える雰囲気ではない。
雅紀も翔君も。
海へ誘ったのは。
俺だって知ってる。
なのに。
何も言わないのは・・・やっぱり。
潤が怖いから・・・だと思う。
さすがの雅紀も。
何も言わずに黙っていた。
「和がさ・・・そう言ってるんだけど。」
「・・・。」
「ねぇ・・・ホントなの?」
「・・・。」
若干イラついたように言う潤。
俺は・・・どう答えたらいいのか。
なんで。
和はそんなウソを?
でも。
・・・。
・・・。
多分。
和が誘った・・・って。
そういう事にしといた方が。
きっと・・・いいんだ。
だから和は。
そう言ったんだろう。
「・・・ぅん・・・。」
できるだけ小さな声で。
でも・・・首を少しだけ斜めに振ったのは。
ひそやかな俺の・・・嘘をつく事への若干の抵抗だった。
「和は。」
「・・・。」
「俺以外と・・・海に入った事なんてないんだけど。」
「・・・。」
「なんで智と入ったの?」
「・・・。」
聞かれても答えられない。
だって。
海へ誘ったのは俺だし。
っていうか。
それこそ・・・本人に聞けばいいのに。
「今日の休み・・・智だけだったからじゃない?」
「・・・。」
翔君が。
ナイスな助け舟を出してくれる。
そうそう。
そう言うことにしておけば・・・いいんじゃん。
物理的に俺としか無理だったって事にしておけば。
イロイロと丸く収まる。
「そうだよ・・・和さぁ・・・きっと海に入りたかったんだよ。」
「なぁ雅紀・・・そうだよなぁ!」
「うん・・・そうそう!」
雅紀が・・・その話にのる。
場の雰囲気を和らげようとしてくれているんだけど。
いっこうに。
潤が。
笑わない。
っていうか。
俺の事・・・軽く睨み始めた。
つづく