フォ〇ストで2016年4月からアップしておりました大宮さんの恋物語の過去作です。
全編サトシ語りです。
毎日20時更新予定です。
楽しんでいただけたら・・・どぞ・・・♡
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「トップシークレットなんだよね。」
開口一番ショウが言う。
って事は。
知ってるって事・・・だな。
「でも・・・話してくれるよな。」
「キャプテン・・・今言ったでしょ・・・トップシークレットだって・・・。」
「・・・って事は。」
「ん?」
「ただの病死とかじゃないって事?」
「・・・するどいね・・・さすがL博士のお孫さんだ。」
医務室で。
ついさっきまで・・・ジュンのバイタルのチェックをしていた様子のショウ。
なにやら器具を片付けている。
「本当はトップシークレットだから・・・。」
「・・・。」
「本当はね・・・言えないんだけど・・・。」
「もったいぶるなって・・・。」
「そうじゃないよ・・・最後まで聞いて。」
「・・・。」
あのね・・・と言いながら。
座るカズの目の前にイスを引き寄せ座るショウ。
若干近さが気になるけど。
医者と患者・・・という距離なら。
これもしかたないかもしれない。
っていうか。
あとで・・・みんなには言っておかないと。
カズは。
俺のになったから・・・って。
「L財団には・・・守るべき約束事がいくつかある。」
「・・・。」
「その約束事がある事すら知らずに働いている人がほとんどなんだけど・・・。」
「・・・。」
「トップの人間にしか知らされていない事があって・・・。」
「ショウ・・・省略して話せない?」
「ずいぶん短気がでてるね・・・昔のサトシみたい。」
「・・・。」
そう。
俺は・・・今でこそキャプテンなんてやってて。
協調性があって・・・みんなの上に立って。
まとめたり決定したりしているけど。
それは・・・イロイロと訓練したからであって。
本当の俺は。
まあまあ頑固だし。
まあまあ強引だし。
まあまあ短気だ。
知っているのは・・・多分ショウだけ。
でも・・・きっとこれから先。
カズも・・・知ることになると思っている。
多分・・・素の俺を誰よりも一番知ることになる。
それが。
・・・。
・・・。
嬉しくて・・・そして。
少し照れくさい。
っていうか。
嬉しい。
カズに。
例えば。
「もう・・・頑固なんだから///。」・・・なんて。
笑いながら言われたら。
俺は。
きっと・・・とろけてしまうだろう。
「まあ・・・単刀直入に言うと・・・。」
「・・・。」
「カズがね・・・目覚めたら・・・。」
「・・・。」
「L財団のすべての権限はカズに委ねられるって・・・そう・・・決められているんだ。」
「ぇ・・・。」
小さく声をあげたカズを見つめる。
なるほど・・・ね。
L博士が作ったL財団。
その孫のカズ。
目覚めたら・・・すべてをカズに・・・なんて。
孫がかわいくてたまらないおじいちゃんが考えそうなことだ。
「だから・・・。」
「・・・。」
「まあ・・・病気が治ったら・・・。」
「・・・。」
「イロイロと大変になると思うけど・・・。」
「・・・。」
「カズ。」
「・・・。」
「大丈夫?」
「あ・・・うん・・・。」
「まあ・・・びっくりするとは思うけど・・・でも・・・。」
「・・・。」
「だからね・・・何が言いたいかと言うと・・・。」
「・・・。」
小さく息を吐いて。
ショウがカズにぐっと顔を寄せた。
だから。
近いって。
いくら医者とはいえ。
ちょっと・・・考えてもらわないと・・・と。
俺は。
大事な話の途中なのに。
ヤキモキしていた。
「カズが知りたい・・・と言えば。」
「・・・。」
「俺は何でも答えるよ。」
・・・そういう事ね。
早く言えばいいのに。
ホント・・・頭が良すぎるひとは。
話しが回りくどい。
L博士の最期を知りたい・・・と言ったのは。
確かに俺だけど。
それをカズの口から言わせたい・・・と。
そういう事か。
「ショウさん。」
「・・・はい。」
「おじいちゃんの・・・L博士の最期を知りたい。」
「・・・わかりました。」
俺を・・ちらっと見たショウ。
このまま話していいものかどうか・・・と。
一瞬迷ったみたいだけど。
・・・。
・・・。
そこまで・・・ショウはお固くはない。
淡々と話すショウ。
でもその話は。
なかなかの衝撃だった。
トップシークレットになるはずだ。
つづく