フォ〇ストで2016年4月からアップしておりました大宮さんの恋物語の過去作です。
全編サトシ語りです。
楽しんでいただけたら・・・どぞ・・・♡
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つまりL博士は。
カズを一人にさせるわけにはいかない・・・とそう考え。
自分も・・・自ら「眠り」の状態になったんだ。
カズが目覚めた時に一緒に目覚めようとしていたんだ。
するべき研究は・・・すべて行って。
すべての研究をのちに引き継ぎ。
親しい人に別れを告げ。
そして長きの眠りにつくはずだった博士。
でも・・・「眠り」の状態になってすぐにトラブルは起きた。
博士はかなりの高齢で血圧も高かったようで。
その・・・・つまり・・・「眠り」の状態に耐えられず。
小さく・・・間隔をあけながらも脈打っていた鼓動が。
ある時自然に止まってしまったらしい。
もちろん・・・財団のすべての英知を集結させ博士の蘇生を試みたけど・・・ダメで。
そのまま博士は逝ってしまった。
「自分で開発した「眠り」の状態になって・・・。」
「・・・。」
「それで亡くなってしまったから・・・。」
「・・・。」
「財団は・・・博士の名誉も含めて・・・死に至るすべての事をトップシークレットとして。」
「・・・。」
「機密にしていたんだ。」
「・・・。」
「だから・・・。」
「おじいちゃんは・・・。」
「・・・ん・・・?」
「僕を・・・一人にするつもり・・・は・・・。」
「・・・。」
「なか・・・ったんだ・・・。」
「・・・。」
「ちゃんと・・・そばに・・・い・・・ようとして・・・。」
「・・・。」
「・・・く・・・れた・・・。」
か細い声でそう言うカズ。
俺の隣で小さく震えている。
下を向いているカズ。
膝の上で・・・握られた拳に。
ポトン・・・と涙の粒が落ちた。
たまらず・・・その濡れた手を握る。
その・・・男にしては・・・小さな手を包み込む。
この・・・カズの小さな手さえ。
俺の手に合わせたのか・・・って思えるくらい。
ぴったりと・・・フィットする。
「そうだよ。」
「・・・っ・・・っく・・・。」
「伝え聞く・・・博士の言葉があるんだけど・・・。」
「・・・。」
「カズが・・・。」
「・・・。」
「カズが・・・私のすべてだ・・・って・・・。」
「・・・っ・・・。」
「そう・・・いつも言っていたって・・・。」
「・・・っく・・・ひっく・・・。」
「そう聞いてる。」
「・・・ぅ・・・っ・・・。」
たまらず抱き寄せる。
そのまま俺に抱きつき泣きじゃくるカズ。
博士は亡くなってしまったけど。
カズへの思いは何百年もたった今でも。
こうして・・・息づいている。
そしてその想いを俺は・・・引き継ぐ。
勝手に・・・だけど。
カズのそばにいて。
そして・・・愛し続ける・・・と。
そう。
誓ったんだ。
ショウが出て行った医務室。
二人・・・座っている。
大きめの窓からは宇宙空間が見える。
幾千もの時空を超えて出会った奇跡。
いや・・・きっと。
これは・・・必然の出会いだ。
永遠なる場所で・・・きっと俺とカズが共鳴して。
そして出会うべくして出会ったんだ。
この・・・宇宙空間。
輝きすらも乗っ取ったブラックホール。
遠くに。
穏やかにほほ笑む太陽。
僅かにも差し込んだ外光。
宇宙の神秘を感じる。
幾重に重なっている時代を。
俺とカズは飛び越えて出会った。
カズにとっての遥か未来。
それが。
カズを迎えた俺の今。
これから二人。
見るのはどんな未来像なのか。
そんな事思った。
瞬き続けるPromises
君と探したEternity
巡り巡るAround The sun
惹かれ合うDertiny
潤んだ瞳のまま俺を見つめるカズ。
俺もじっと・・・見つめ。
そして誓いのつもりで・・・キスをした。
大いなる宇宙。
その・・・片隅で。
小さな命だけど・・・でも。
例えばL博士の。
カズへの想い・・・とか。
俺の。
カズへの想い・・・とか。
カズの。
俺への想い・・・とか。
そういう・・・人の想い。
愛は偉大で。
永遠なんだよな。
そうだろカズ。
俺は。
腕の中のカズを抱きしめ。
そして。
もう一度。
その・・・額にキスをした。
永遠の愛を。
誓って。
FIN
最後までお付き合いありがとうございました。
とにかくこの曲が大好きで。
宇宙が好きで・・・///。
そこから書いたお話でした。
この本編には続編が一つございます。
また改めてアップさせていただきますので。
その時には楽しんでいただけたら嬉しいです///♡
物語中のNHK、、、懐かしいですね(*´-`)
ちょうどあの頃に書いたお話なのです♡
ではでは。
来てくださってありがとうございました♡
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